【結果】エギディウス・カバラウスカス対ミカエル・ゼウスキー

 エギディウス・カバラウスカス(リトアニア)が9月13日米ラスベガスにあるザ・バブルでミカエル・ゼウスキー(カナダ)に8回TKO勝ち。再起に成功したカバラウスカスはWBO(世界ボクシング機構)、WBC(世界ボクシング評議会)の地域タイトル獲得に成功した。強豪、人気ものが多いウェルター級ではタイトル挑戦ができるだろうか。

 カバラウスカスはプロ通算23戦21勝17KO1敗(1KO)1分、負けたゼウスキーは36戦34勝23KO2敗(1KO)とした。

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 トップラインを目指すコンテンダー同士の戦い。負ければあとはない戦いだった。カバラウスカスはクロフォードに9回ストップ負けしたが、3ラウンドに良い見せ場を作ったのが記憶に新しい。どちらが生き残るかサバイバル・マッチだった。

エギディウス・カバラウスカス

エギディウス・カバラウスカス
身長 175cm
リーチ 180cm
年齢 32歳
国籍 リトアニア
スタイル オーソドックス

プロ戦績 23戦21勝17KO1敗1分 KO率73%
NABFウェルター級タイトル

アマチュア戦績:400戦?

 アマチュアは300、400戦と言われている。カバラウスカスは元オリンピアン、アマ・エリート出身だ。北京、ロンドン五輪2大会連続で母国リトアニア代表。20111年バクーで行われた世界選手権にウェルター級で出場し銅メダルを獲得している。

 2013年プロへ転向。ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、セルゲイ・コバレフ(ロシア)、オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)などを束ねる敏腕マネージャーとして知られるエイジス・クリマス氏と契約。母国リトアニアを離れ、トレーナーのロバート・ガルシア氏が拠点とする米カリフォルニア州にあるオックスナードへ住居を移した。

 NABFタイトルを獲得。18戦全勝15KOと全勝、パワーショットとアグレッシブさを武器に注目を集めていたが、強豪との対戦がなかったことで、実力を疑問視する声も少なくなかった。そんな中、シェーン・モズリー(米)に判定勝ち、元世界王者ラモント・ピーターソン(米)に善戦したウェルター級で中堅クラスのデビッド・アバネシャンとの試合が締結。カバラウスカスがパワージャブで試合作り、アバネシャンも一歩も引かなかったが6回、クロスレンジで右のカウンターが火を吹きアバネシャンがグラついたところ猛打でストップ勝ちした。

 レイ・ロビンソン(米)に引き分けパーフェクト・レコードはストップ。タイトルマッチ前哨戦で強いインパクトを残せなかったが、タイトル挑戦が決まった。相手は3階級を制覇したWBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード(米)。もともと、トップランク社はカバラウスカスが勝てばウェルター級にあげるテレンス・クロフォード(米)、ジェフ・ホーン(豪)にぶつけることを示唆していた。

 ただ、オッズはクロフォードが有利だった。3階級を制覇した実績はもちろんバックギアに入れ高度な駆け引きにも対応できるクロフォードをカバラウスカスが攻略するのは難しい見方が殆どだったが、しかし、序盤ペースを握ったのはカバラウスカスだった。3回、クロスカウンター、右ストレート、左の返しで膝を折ったクロフォードは堪らずクリンチ。スリップ扱いだったが膝を折り左のグローブをマットにつけた。

 しかし、4回から王者が反撃。強打者のカバラウスカスに真っ向から対抗した。ソリッドなパンチをコネクトしペースアップし試合を支配。7回、右フックでダウンを奪うと9回、2度のダウンを奪われストップ負け。序盤はパワージャブで主導権を握り見せ場を作ったが後半に押し込まれた。32歳、今戦で負ければ世界再挑戦は難しくなる。

ミカエル・ゼウスキー、戦績

ミカエル・ゼウスキー
身長 180cm
リーチ 178cm
年齢 31歳
国籍 カナダ
スタイル オーソドックス

プロ戦績 35戦34勝23KO1敗
IBF北米ウェルター級タイトル
WBO NABOウェルター級タイトル
WBCインターナショナルウェルター級タイトル
NABFウェルター級タイトル

アマチュア戦績: 138勝29敗

 強豪、タレントが揃うウェルター級この階級で世界挑戦することはアマチュアで実績をもっていて難しい。ゼウスキーは、2009年世界選手権に出場した経験を持つ。2010年プロへ転向し31歳。NABFやWBO、WBCの地域タイトルを獲得してもまだ世界タイトルのチャンスは回ってこないどころか。有力選手との試合も難しい状態だ。

カバラウスカスが7回猛攻

 ジャブの制空権争いは殆ど互角の勝負。両者、ジャブを交換する慎重な立ち上がり。スコアは殆ど差がなくポイントではゼウスキーが優勢だった。ジャブの正確性ではカバラウスカスが上回ったが、ゼウスキーもジャブでペースを奪われないよう強いジャブを返した。


 中盤以降もジャブの差し合い駆け引きが続くチェス・マッチだったが7回、ゼウスキーのジャブに下から突き上げた右アッパーが炸裂。残り10秒だったがこのチャンスを逃さまいと、ロープに後退したゼウスキーを追いかけ猛打でダウンを奪った。ゼウスキーは何とか立ち上がりゴングに救われたが8回、カバラウスカスが開始ゴングからジャブで押し込み、右オーバーレフトが顎を完璧に捉えるとゼウスキーは腰から崩れ落ちダウン。レフェリーが試合を止めた。スコアは、67−65でゼウスキーが優勢だった。

カバラウスカスはタイトル挑戦できるか


 ゼウスキーに勝ちWBC、WBOの地域タイトルを獲得したことで上位にランクされそうだ。だが、タイトル挑戦できるかは不透明感が漂う。トップランク傘下なことからテレンス・クロフォード(米)とのリマッチが現実路線だが、クロフォードの求めるマッチメイクとは相反する。それにリマッチを見たい人がいるかも疑問だ。

 ただ、他の団体をみてもそう簡単に挑戦はできそうにない。IBF・WBCをまとめるのはウェルター級最強の呼声が高いエロール・スペンスJr.(米)が保持。スペンスは11月にダニー・ガルシア(米)戦に臨むことが決定。その後はIBFの指名戦、ショーン・ポーター(米)が列をなしている。プロモーションの違い、知名度がマッチメークのハードルが大きく立ちはだかる。

 WBAスーパー王座にはマニー・パッキャオ(フィリピン)が君臨。契約するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)との契約状況は不明だがキャリア終盤にはいったパッキャオが求めるのはレガシーとビッグ・マネーであることは言及するまでもなく、カバラウスカスが入り込む余地はないだろう。

 人気、そして実力がものをいうウェルター級。タイトル再挑戦は簡単にいかなそうだ。

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