【結果】カネロ対プラント今後はどうなるのか

 カネロがスーパーミドル級で史上初となる4団体を制覇した。11月6日米ラスベガスにあるMGMグランドガーデン・アリーナで開催されたWBA・WBC・WBO世界スーパーミドル級統一王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)とIBF王者カレブ・プラント(米)戦はカネロが11回、プラントから2度のダウンを奪いTKO勝ちした。

 カネロはプロ通算60戦57勝39KO1敗2分、プラントは22戦21勝12KO1敗(1KO)。プラントはプロ初黒星を喫した。

 プレッシャーをかけるカネロに対し、序盤こそ上手く高速ジャブとフットワークで対抗してみせたが中盤以降はカネロの的中率の高いパワーショットが目立った。プラントは高いディフェンス能力を持ち合わせていることは確かだが、最後には捕まった。

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カレブ・プラント 戦績キャリア

カレブ・プラント
国籍:米国

年齢 29歳
身長 185cm
リーチ 188cm
スーパーミドル級

IBF世界スーパーミドル級王者
米リング誌 2位
ESPN 3位

プロ戦績:21戦全勝12KO
アマチュア戦績:97勝20敗
2011年ゴールデングローブ 金メダル

 プラントの知名度は悪くない。米国でPPV市場は違法ストリーミングなどにより低迷の傾向もあるが、メジャー路線に向かうプラントのもつバック・グラウンドとカネロの露出が上がったことでPPVの購買件数は期待できるかもしれない。

 プラントは、カネロやマニー・パッキャオといったビッグーネームではないにしろPBCが提携するFOXのイベントで3試合メインイベントを務めいまや看板ボクサーのひとり。逆境を乗り越えたプラント戦はPPV購買件数を押し上げる要因の1つだ。

  アマチュア戦績は97勝20敗。2011年ナショナル・ゴールデン・グローブスにライトヘビー級で金メダルを獲得しロンドン五輪代表候補からプロへ転向。北米で影響力の強いアル・ヘイモン氏と契約を結んだ。

 プラントが有名になったのは、ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)戦だ。オッズ有利はウスカテギ、プラント支持は少なかったがアナリストらの予想を覆しウスカテギから2度のダウンを奪い3−0の判定勝ち。番狂わせを起こしたのである。

・米リング誌スーパーミドル級 2位
・米ESPNスーパーミドル級 3位
 米メジャー誌でも高い評価を得ている。

 ドラッグが蔓延する治安の悪い地域で育ったプラントの家庭は貧しかった。プラントが生まれたときヘビー・ベッドを買う余裕がなくドレッサーの引き出しを使ったという。

 元キックボクサーの父親からボクシングを教えてもらったのは8歳のとき。アマチュア戦績は97勝20敗。2011年ゴールデン・グローブスにライトヘビー級で出場し銀メダルを獲得。2012年ロンドン五輪に補欠としてエントリーした。

 2014年にプロに転じ北米で影響力の強い後にPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)シリーズを開幕するアル・ヘイモン氏と契約を結び5連勝と順風満帆だったが、2015年1月に悲劇が襲った。

 2013年5月に娘アライアが生まれるも極めて稀な難病を抱えていた。ICU(集中治療室)でなんとか生命維持装置で命をつないでいたが、回復する見込みはなかった。プラントは医師から生命維持装置を外すことを進められ、はじめは応じなかったが、管に繋がれた娘の姿を見て外すことを決断。プラントは娘が亡くなるまえ「必ず世界チャンピオンになる」と約束していた。

 IBFの指名挑戦権を手にしたプラントは、王者ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)へ挑戦することが決まったもの強豪と戦かったことがないプラントは過小評価されていた。アナリストらもウスカテギを高く評価しプラント勝ち予想はすくなかった。しかし、プラントはアナリストらの予想を覆し王者から2度のダウンを奪い3−0の完勝。アライアとの約束を果たした。

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カネロはどんな戦いなのか

 カネロは、2018年9月以来の有料配信ペイ・パー・ビュー(PPV)復帰戦。勝敗はもちろんのこと商業的に成功するかどうかも重要。今戦、カネロが受け取る報酬は4000万ドル(約45億2000万円)だという。期待に応えることができるか好成績を残すことができるだろうか。

 カネロは、ボクシング中継から撤退したHBOとの契約を終え、2018年ストリーミング配信大手DAZN(ダ・ゾーン)と5年10試合、3億6500万ドル(約410億円)というスポーツ史上最高額の契約を締結したが、DAZNと当時契約していたGBP(ゴールデンボーイ・プロモーションズ)と契約問題を巡り、DAZNとの契約を解除。その後、DAZNとよりを戻したが報酬は大幅に下方修正されている。

 カネロとDAZN契約の記事は、「カネロがDAZNと3億6500万ドルの超巨額の契約を締結!特集記事」こちらの記事を読んで欲しい。

 その要因の1つが巨額のファイトマネーだ。カネロの試合は対戦相手を含め4000万ドルと高額。カネロにとっては素晴らしい条件だったが、巨額の資金を用意する必要があるDAZNは大きな重荷だった。

 毎回、大きなコストが発生。DAZNは、北米の新規契約者数を増やすことが喫緊の課題だった。超大型のカネロを獲得。ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)とのメジャー・ファイトを目論んだが叶わず失敗した。

 ShowtimeやHBOのPPVファイトであれば、ファイトマネーの主な資金調達はPPV(ペイ・パー・ビュー)の売上。何十億という巨額の資金を調達するには、放映権、チケット・セールス、クローズ・サーキット、スポンサー収益だけでは困難なのが実情なのである。

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カネロの報酬は4000万ドル

 米メディアによると損益分岐点はPPV50万世帯。

 カネロの報酬4000万ドルを補える計算になるが最終収益はケーブルTV局と衛星事業者が約50%、ホスト局今回であればShowtimeが10%、残り40%。つまり、50万世帯だと2000万ドル前後にしかならい。

 もちろん、不足金は興行主のPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)や、スポンサーチケット収益、各国の放映権から補うのだろう。

 何れにせよ、カネロの報酬4000万ドルが妥当なのかどうか。PPV(ペイ・パー・ビュー)の成績で現時点のカネロの査定ができるだろう。

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カネロ対プラント予想

 筆者はカネロ9回ノックアウト勝ちを予想。技工派のプラントは確かに引き出しは多くディフェンスも高い。ハイ・スピードのジャブを軸に攻撃を組み立て、フットワークも速い。しかし、パワーショットは火力不足。カネロを完全に機能不全に落とすことは限りなく難しいだろう。

 前半こそカネロは苦労するだろうが、最後はカネロに捕まるだろう。

 仮にプラントがベスト・バージョンだったとしてもプラントは判定勝ちの戦略。

 しかし、カネロのプレッシャーと攻撃に対し12ラウンド乗り切れるだろうか。スタミナ、集中力、タフネスと膨大なエネルギーが必要。まだ、エリート・レベルと対戦したことがないプラントは懸念材料が多く、全てが試される。

 どのラウンドも明確にとらなければポイント・アウトは難しい。ここラスベガスはカネロの本拠地。プラントは米国人だが会場はメキシカンやヒスパニックで完全アウェイ。微妙なラウンドはすべてカネロに流れることは覚悟しなければならない。

予想は、 カネロ対プラント米リング誌予想こちらを読んで欲しい。

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カネロ対プラント結果

 最後は仕留める。最近のカネロはそういった戦いが多くみてるほうも期待するのだ。

 前半こそ、プラントの高いディフェンスに阻まれ苦労したが、プレッシャーをかけ的中率の高いパワーショットを浴びせプラントにダメージを与えていった。

 パンチ・スタッツによるとカネロがトータル361発中、117発(約32%)。プラントは、441発中、101発(23%)。

 パワーショットはカネロが251発中、102発(41%)が的中、プラントは209発中、58発(約28%)だった。

プラントはカウンターで迎撃するがカネロの攻撃をストップさせるまでに至らず後半、減速が目立ってくるとカネロが左フックでグラつかせ、顎に右アッパーを叩き込みダウンを奪われ、立ち上がったプラントはフララ。カネロの追撃を受け再びダウン。レフェリーが試合を止めた。

「プラントに敬意を評します。彼は素晴らしい能力を持っている」。

 プラントの試合運びは良かった。だが、それはディフェンスが中心。カネロに明確にダメージを負わせるものではなくラウンド随所で的確なパワーショットを繰り出すカネロとは対照的だった。

 前半、プラントは長いリーチを活かしカネロに入り込まれないように高速ジャブと、フットワークを駆使した。実際、これはカネロに効果的だった前半1、2回はプラントが明確にとったラウンド。前半、おわってもカネロはペースを完全に掌握することはできなかった。

 その理由として、プラントの高いディフェンス技術があったからだろう。

 カネロはプラントの固いL字ディフェンス攻略に苦労していた。L字ガードで左腕でカネロの強烈なボディを守り、右ストレートは肩で外し、左フックは右腕でブロック。半身で構えることで打てる面積は減る。カネロにとってやり難いタイプなのは間違いない。

 右に対して右、ロングの左のリターン。カネロは強引に正面突破をはかったが明らかに苦労していた。

 中盤、6回にはいるとプラントの減速感が漂いはじめた。カネロの攻撃に対しカウンターをコネクトするも圧倒的に手数が減り、パワーショットを豪快に見舞うカネロに流れるラウンドが殆どだった。

https://twitter.com/in44y1/statuses/1457207093044252676

 プラントはディフェンスの他に接近戦でカネロと互角に戦う姿を見せ、リングを丁寧にカットするカネロに対し攻撃とフットワークを融合させ上手く退路を作ったが、カネロをグラつかせたり明確なクリーンヒットを奪えず最後は捕まった。

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カネロ次戦はどうなるのか

 高いパフォーマンスを示したカネロ。4団体制覇したカネロの注目が集まるのは次戦の行方だろう。米メディアによると次戦は2022年5月予定だという。

 次戦はPBCの舞台が有力だ。カネロ獲得にはマッチルームと提携関係にあるPBCとライバル関係にあるDAZN(ダ・ゾーン)やTopRank社も動くだろうが、魅力的なオファーを掲示することができるだろうか。

 プラント戦は単戦契約。PPVが販売不振に終われば大幅にファイト・マネーが見直される可能性はあるにしろ、PBCはカネロの天敵としてあげられるデビッド・ベナビデス(米)やWBC世界ミドル級王者ジャーモール・チャーロ(米)傘下に収め有力なオプションになる。

 ライトヘビー級にふたたび上げ評価の高いWBC・IBF2本のベルトをまとめるアルツール・ベテルビエフ(ロシア)に挑戦するプランも考えられるがリスキー。もちろん、カネロ陣営のこの先のプラントとしてあるにせよ、急ぐ必要はなく金になるPBCと再び手を結ぶことが濃厚ではないだろうか。

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