【結果】カネロ対サンダース

 WBA・WBC世界スーパーミドル級統一王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)が5月8日、米テキサス・アーリントンにあるAT&TスタジアムでWBO王者ビリー・ジョー・サンダース(英)と対戦し8回TKO勝ちしWBO王座を獲得し3団体統一王者となった。

 カネロは59戦56勝(38KO)1敗2分、負けたサンダースは31戦30勝(14KO)1敗(1KO)、プロ初黒星を喫した。

 決めてとなったカネロの右アッパーをもらったサンダースは右目眼窩底骨折、頬骨を骨折する重症。米ダラスで手術を受け成功している。3団体を統一したカネロ。残るピースはIBF王者カレブ・プラント(米)の王座のみ。今回は試合背景からレビュー、今後を占ってみたい。

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サンダースはビッグ・ファイト

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ビリー・ジョー・サンダース

国籍 英国
年齢 31歳
身長 180cm
リーチ 180cm

階級 Sミドル級

WBO世界Sミドル級王者
元WBO世界ミドル級王者

米リング誌 4位
ESPN 5位

プロ戦績 30戦全勝14KO KO率 45%

アマ戦績:不明
 2008年北京五輪出場 2回戦敗退
 2008年ヨーロッパ選手権 優勝
 2007年コモンウェルス・ゲームズ 優勝

カネロにとってどんな戦いなのか

 スーパー・アクティブに動くカネロは、4団体制覇を掲げ年4試合を計画。サンダースの持つWBO王座は3つ目のベルトだった。

 カネロは、サウスポーのトラウト、ララに苦戦した過去をもつが、カネロが勝つという見方がほとんど。米リング誌記者ら殆どが12回3−0カネロ判定勝ちを予想していた。

 サンダースはディフェンスに定評があるが、カネロの脅威となるパワーやアジリティ、スピードはなく判定に持ち込まれれば勝ち目はなく、攻防ともにハイ・スキル持ち成長著しいカネロ有利の見方が殆どだった。

 米リング誌の予想記事は、「カネロ対サンダース米リング誌試合予想」こちらの記事を読んで欲しい。

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米国、屋内ボクシング・イベントでは最多の観客を動員

https://twitter.com/in44y1/statuses/1391226010343936004

 古巣、GBP(ゴールデンボーイ・プロモーションズ)を離脱したの正解だった。

 露出が増えたカネロ。米テキサス、AT&Tスタジアムで挙行された今戦は米国内の屋内で行われたプロ・ボクシングでは最多の73,126人の観客を動員。1978年、米ニューオーリンズで行われたアリ対スピンクス2で動員した63,352人の記録を更新した。

カネロ対サンダース 結果

 オッズが示したとおりの結果となった。サンダースのフットワーク、スピードを評価する声もあったが、攻防ともに高い能力を持つカネロの強さが際立った戦いだった。サンダースはカネロのハードショットに耐えたが決めての右アッパーのダメージは深刻だった。

 得意のフェイトとヘッドムーブでサンダースを揺さぶり警戒させ、アウトサイドを取りジャブを出し難い状況を作りロープ、コーナーに追い込みパワー・ショットを叩き込んだ。接近戦は強烈なアッパーで迎撃。カネロは手数こそ少ないが的中率が高くサンダースより派手。微妙なラウンドはカネロに流れただろう。

 一方、サンダースは序盤、カネロにポイント・アウトを許すも中盤から戦略を変えたか接近戦ものぞみ、クリンチを上手く使いカネロの攻撃を分断。クリンチ際も上手くカネロに打撃を与え後半、ジャブも機能し始めたがペースを奪還できずおわった。

 1回、カネロは前進し後退するサンダースを追う構図。サンダースはアウト・ボックスというより自ら後退を強いられる厳しい展開だった。序盤からカネロのノールックのボディ打ち、コーナー、ロープを背負わせハード・ショットを見舞った。

 ボディ打ちは強烈で綺麗に入る場面も。3回が終了するとサンダースの顔から疲れの色もみえたが5回以降は、ジャブ、ダブル・ジャブをコネクトし攻勢強めた。カネロは、ノックアウトを探していたが、サンダースのジャブとクリンチ・ワークで反撃を受け、絶対的に試合を支配しているわけではなかった。

https://twitter.com/in44y1/statuses/1391634104865615873

 試合が動いたのは8回。右フックをカネロがスウェー。サンダースがカネロのカウンターに反応しダックして回避を試みたが、ダックした瞬間にカネロが右アッパーを完璧なタイミングで合わせた。これまで、カネロはリターンに左フックをあわせていたが、それをフェイントに使いサンダースのダックと同時に右アッパーにあわせてきた。

 その後、サンダースは急速にスローダウン。右手を挙げ勝利を確信したカネロは、サンダースに強烈なワンツー、アッパーを叩き込みフィニッシュに持ち込もうとするがサンダースがサバイブ。コーナーに戻ったカネロは「彼はもう戦わないと思う。頬骨が折れたと思う」。コーナーにこう伝えたという。

 サンダース陣営は「彼の眼窩骨折の疑いがあり目がみえない状態だった。コーナーでいくつかテストしてみたけど反応できなかった。彼は我々の判断に任せそれを受け止めた」。8回終了、棄権しカネロがTKO勝ちした。

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カネロ対サンダース ハイライト動画

サンダースは眼窩底骨折

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 眼窩底骨折の疑いがあったサンダースは記者会見をキャンセルし病院へ直行。眼窩骨を数本、頬骨を骨折していることが判明。翌朝、米テキサス・ダラスで手術を受け無事成功。サンダースは「見てくれた皆さんありがとう。また戻ってきます」。とリング復帰を宣言したが、回復には長い期間が必要であることが予想される。

カネロ次戦9月誰と戦うのか

 WBA、WBC、WBO王座を手中に収めカネロ。残るパズルの最後のピースIBF王座を保持するのはカレブ・プラント(米)になる。

 カネロは、サンダース戦を最後にマッチルーム・ボクシングとの契約は期限切れ。ふたたび、FA(フリー・エージェント)に戻る。ここまで、カラム・スミス(英)、ユルドゥルム(トルコ)、ビリー・ジョー・サンダース(英)戦をスピード締結してきたが、プラントとの交渉は難航が予想される。

 カネロはFAの立場なものマッチルームと共同で興行したい方針を示している。対して、プラントはDAZNとは対立関係にあるアル・ヘイモン氏が手掛けるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)傘下のボクサー。DAZN、マッチルームが強力なオファーをするにしても、簡単にPBCが稼ぎ頭のプラントを放出するかは疑問が残る。

 PBCは、プラントをカネロにぶつけるのであれば、デビッド・ベナビデス(米)やWBC王者ジャーモール・チャーロ(米)らとの複数戦契約を交渉カードにあげてくる可能性がある。何れにしても、ドル箱スター、カネロ戦はプラント陣営、PBCとして合意しない理由はない。はやければ5月中旬からはじまる交渉の行方に注目したい。

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