【結果】ナバレッテ対ディアス

 WBO世界フェザー級王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)がクリストファー・ディアス(プエルトリコ)に12回TKO勝ち。メキシコ対プエルトリコの中南米対決を制し初防衛に成功した。ナバレッテは、フェザー級デビューとなったヴィラ戦のパフォーマンスが良くなかったが、ディアスから4度のダウンを奪いストップ勝ち実力者であることを証明した。

 王者ナバレッテは35戦33勝(28KO)1敗。負けたディアスは29戦26勝16KO3敗(1KO)とした。今戦の背景から試合を簡易レビューをお届けする。

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ナバレッテはフェザー級で本物かどうか

 ナバレッテが表舞台に登場したのは、当時勢いに乗っていたアイザック・ドグボー(ガーナ)に勝ったときだった。第1戦の契約で再戦条項がありドグボーは行使。半年後の再戦でナバレッテが2度のダウンを奪いドグボーのコーナーがタオルを投入し棄権。まぐれでなかったことを証明した。

 もっとも活動的なナバレッテだが、ドグボー以外5度の防衛戦で実力者と言えるボクサーと対峙していなかった。もちろん、当時のSバンタム級で統一戦が難しい背景があったがそれでも、無名相手の防衛戦が殆どだった。

 今戦はフェザー級2次試験と呼ぶのが適切だ。直近、ルーベン・ヴィラ(米)戦のパフォーマンスは良好とは言えなかった。

 ヴィラが丁度良い相手だったがタイトル挑戦するには相応しい相手だった。プロで17勝全勝。アマチュアで116勝17敗、全米ゴールデン・グローブ選手権で2度優勝。オリンピック・トライアルに出場。シャクール・スティーブンソン(米)、デヴィン・ヘイニー(米)に勝利している。

 ヴィラから1回、4回にダウンを奪ったものテクニシャンのヴィラからペースを完全に奪還することはできず光ったのはヴィラの高等スキルだった。ダウンを奪われるも3回には丁寧にジャブを付き空間を支配。ナバレッテの強振は全て外した。

 ナバレッテは疲れがでたか後半失速。ヴィラに攻め込まれる場面も多かった。採点は(114−112 2者 115−111)だったが、ダウンがなければイーブン。スーパーバンタム級時代は自慢の強打を武器にしていたが、一時はスーパーフェザー級、いまはフェザー級の住人のディアスに通用するかどうか。パワーが対等になれば当然求められるのがスキルや戦術面だ。

ディアスはトップランク傘下のホープだったが伊藤に夢を打ち砕かれトップ戦線から脱落。階級をフェザー級に落としキャリアを再建。同じトップランク傘下のシャクール・スティーブンソン(米)とWBO地域タイトルを争ったが判定負け。再起に成功し今戦が2度目の世界タイトルマッチだった。

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ナバレッテ対ディアス 結果

 オッズはナバレッテに傾いていたが、直近ヴィラのスキルに手を焼いたこともあり階級をフェザー級にあげたばかりのナバレッテが圧倒的に有利というわけではなかった。

 ナバレッテの強さが際立った戦いだった。一発当たると風車のような強打の連打。タイミングをずらしたフック、軌道を変え見えない角度から放つアッパーの殺傷能力は抜群で見えにくい。後半、失速する場面もあったが、パンチの的中率手数ではディアスを上回り12回ディアスの猛攻に耐え逆襲しストップ勝ち。タフネス、メンタルの強さをまじまじと見せつけられた戦いだった。

参照(source):CompuBox


 上記がCompuBoxによるパンチ・スタッツになる。王者ナバレッテは744発中、257発(35%)、ディアスが706発中、183発(26%)となっている。

 ゴングがなると慎重だったのはディアスだった。ナバレッテは決してスピードは速いわけではないがメキシカン独自のタイミングをずらしたようなパンチは厄介。不用意に中に入れば左アッパーが飛んでくるからディアスもなかなか入り込めなかった。

 2回、ディアスは手数を増やし有効打を当てたが3回までのパンチの的中率はナバレッテが36%、ディアスは17%。王者の手数と的中率が目立ちディアスはどうペースを掴むのかが課題だった。試合が大きく動いたのが4回、ナバレッテが飛び込み左フックのフェイントを使い、ガードの隙間から左アッパーを突き上げるとディアスがダウン。フックの軌道から修正したアッパーは見えなかったのだろう。

 中盤に入っても戦況が不利だったディアス。中間距離で戦うとナバレッテの長いリードと厄介なフックが飛んでくる。かといって接近戦に持ち込むのもリスキーだったが勝つための選択肢は少なかった。迎えた6回。ディアスは圧力をかけナバレッテが得意の距離をつぶしにかかった。

 応戦してくるナバレッテの懐に入ることは容易ではないが、ポイントでは厳しく接近戦に陣営がかけたのかもしれない。8回までディアスが追い上げボディでナバレッテの体力を削りペースに乗りかけたが終盤、ナバレッテの高回転のコンビネーションで2度目のダウン。ナバレッテがさらに追撃し3度目のダウンを喫し何とか耐え抜いたが苦しかった。

 11回に入り、ナバレッテが失速を見せるが依然として手数は衰えない。12回、ディアスはノックアウト勝ちしかなかった。ディアスは猛アタックするが今度はお返しとばかりナバレッテが逆襲。ディアスはナバレッテの右ストレートでグラつきロープに詰めら多彩なアングルからくるナバレッテの強打を浴びダウン。立ち上がったもの陣営が放棄。ストップ負けとなった。

 「遊びでやってるんじゃない。双子の娘と長女と家族がいる。子どもたちには少しでも明るい未来にさせるためチャンピオンになりたい」。
 ディアスは敗戦したが驚異的なタフネスを披露。ハートの強さに心を打たれたファンは多かったにちがいない。勝ったナバレッテは強さを見せつけタフネス、メンタルの強さを証明。スティーブンソン、伊藤に負けたがノックアウト負けのないディアスをストップ。階級で強い存在感を示したことは間違いない。

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ナバレッテ対ディアス ハイライト動画

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フェザー級戦線


 ナバレッテは米リング誌フェザー級格付けで6位。ディアスにインパクトある勝ち方をしたことでランクアップするだろう。今後は対戦相手探しが難航しそうだが、WBC王者ゲーリー・ラッセル・ジュニアか。まだ、王座を明け渡すか決めていないWBAスーパー王者レオ・サンタ・クルス(メキシコ)とのメキシカン対決が、合意は難しいが最大のオプションとなる。

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