尾川堅一マッチルームと契約期待される統一戦は実現できるのか

 IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一が、英大手マッチルームと複数戦契約を締結した。マッチルームと契約したのはWBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人に次2人目。強豪が揃うスーパーフェザー級で統一戦の期待が膨らむ。

 今回は、マッチルームの簡単な紹介と統一戦を占ってみたい。

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マッチルームと契約

 尾川にとってマッチルームと契約したことはキャリアにプラスになるだろう。ただ、尾川が契約したことについては想定の範囲内だった。

 尾川は、11月27日米ニューヨーク、MSGシアターでアジンガ・フジレ(南アフリカ)に判定勝ち。ディフェンシブな難敵フジレから3度のダウンを奪い3−0の判定勝ち。

 難しい相手だったが勝ち方、インパクトは十分だった。フジレのペースに合わせず、強打のコンビネーションを叩き込むシンプルなスタイル。尾川の積極的なスタイルと勝ち方はマッチルームが契約に動いた材料になったことは間違いない。

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マッチルームとは

 マッチルームは、エディ・ハーン氏が率いる英大手プロモーター。2018年、ネット配信大手DAZN(ダ・ゾーン)と8年10億ドルという超大型契約を結び北米のプロ・ボクシングに参入した。

 米有力プロモーター、トップランク社、Showtime、地上波FOXと提携する北米最大勢力のPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)のライバル。2020年、200カ国にサービスをローンチ。グローバル戦略にカジをきっている。

 ウィズ・コロナ時代、2021年12月村田対ゴロフキン戦が延期。とりわけ、日本のプラットフォームはコロナによる鎖国リスクが浮き彫りになっている。マッチルームと契約したことで国内の他、欧米、2路線となったことでリスク分散できる。

 日本はオミクロン株出現で政府が水際対策を強化。外国人新規入国を禁止したことで、外国人ボクサーを招致しての興行は事実上開催できなくなっている。

 政府は30日の期限を設置しているもの、期限内に水際対策が緩和されるかも不透明な状況。こうした状況下で、欧米路線が可能になったことでボクサーにとって最大リスクのキャリア停滞の予防にもなる。

 そして、日本は地上波がボクシング中継をすることがめっきり減ってしまった。世界タイトルマッチであっても地上波が中継に動かないことは珍しいことではなくなった。これは、ボクシング人気の低迷やTV局のスポンサー集めなど資金的な問題もあるのだろう。

 いずれにせ、尾川にとって欧米で勢力を強める大手マッチルーム・ボクシングと契約したことはキャリアでプラスに働くことは間違いない。

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尾川は統一戦が実現するのか

 「スーパーフェザー級はビッグ・ファイト構想がある。尾川はファンを喜ばせるスタイル。2022年、IBFのベルトと他団体のベルトを統一する機会があると確信している」。

 マッチルームを率いるエディ・ハーン氏は統一戦に躍起だがそう簡単にはいかないだろう。他団体王者の動きをみてみよう。

 まず、WBA(世界ボクシング協会)のベルトを握るのがロジャー・グティエレス(ベネズエラ)だ。グティエレスは、WBA暫定王者クリス・コルバート(米)との指名戦が命じられ、2022年2月19日、PBC、Showtimeカードで内定している。

 もし、コルバートが勝った場合はPBCとマッチルームと対立構図。コルバート陣営にメリットがあれば別だが、苦労してコルバート陣営をPBCのボス、アル・ヘイモン氏が、尾川との統一戦に前向きに動くだろうか。グティエレスが勝った場合は統一戦は日本で可能かもしれない。

 WBC(世界ボクシング評議会)はドーピング検査で陽性となりながら試合出場が認められ大きな批判を受けたオスカル・バルデス(メキシコ)だ。バルデスは、尾川が契約する帝拳プロモーションズと良好な関係を築くトップランク社だがTV局のハードルが立ちはだかる。

 ウォルト・ディズニー傘下ESPNと提携するのがトップランク社。一方、マッチルームはDAZNと提携している関係で統一戦交渉を合意するうえでの懸念材料となる。そして、トップランク社はバルデスに対抗WBO王者シャクール・スティーブンソン(米)との統一戦を模索する動きをしている。

 WBO(世界ボクシング機構)はシャクール・スティーブンソンが君臨。トップランク社ボブ・アラム氏は前述したとおりバルデスとの統一戦を匂わせている。もちろん、プロモーターの言うことは当てにならないが、トップランク傘下で作りやすいマッチメークなのは間違いない。

 もっとも、面白いのはライト級王座奪取をねらうワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)がスーパーフェザー級へ落としスティーブンソンに挑戦する形だ。

 スティーブンソンにとってはハイ・リスクだが、高いスキルを持つもの同士の戦いは興味深い戦いになることは言及するまでもない。スターダムへ上り詰めるにはビッグ・ネーム狩りが急務。尾川が割り込む余地はないかもしれない。

 現時点で次戦が指名戦になるかは分からないが、IBFランキング1位シャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)が有力。

 ラヒモフは、米リング誌格付けで4位、ESPNでは5位にランクしIBF王座を獲得した尾川より評価は高い。決まれば尾川にとってキャリア最大の相手。タフな戦いになるが見応えのあるマッチメークだ。

 統一戦は政治的な思惑もあり交渉は一筋縄ではいかないが、その前に試練が待ち受けているかもしれない。

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