パッキャオはウガスと対戦スペンスはふたたび戦うチャンスはあるのか

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 パッキャオ対スペンス戦が中止となることが決まった。IBF・WBC世界ウェルター級統一王者エロール・スペンス・ジュニア(米)が試合前のメディカル・チェックで左目に網膜裂孔があることが判明。ドクター・ストップがかかったスペンスは辞退。米テキサスで左目の手術を受けるという。

 パッキャオは、アンダーカードで防衛戦を行う予定だったWBA世界ウェルター級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(キューバ)と試合を行うことが主催するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)が発表。実は、ウガスの対戦相手も負傷していたのである。詳しく見てみたい。

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スペンスは左目を手術予定

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 「マニー・パッキャオと戦えないことは残念だよ」。ESPN(米スポーツ専門チャンネル)のインタビューで語ったスペンス。「このビッグ・イベントを楽しみにしていたしね。でも、残念なことに医師が左目の裂傷を見つけてしまった。早急に手術する必要があり戦えないと警告された。こんなことになり皆さんにお詫びしなければならない」。
  
 米ベテラン記者ダン・レイフィール氏によれば、スペンスの左目の負傷は現地時間8月9日米ネバダ州ラスベガスで、試合を管轄するネバダ州アスレチック・コミッション(NSAC)により行われた定期検診で発覚。スペンスは地元テキサス・ダラスに帰り、水曜日に左目の手術を受ける予定。

 網膜の裂傷はボクサーにとって致命的な負傷になりかねなかったが、医療の進歩によって完全回復が期待されるという。

 「エロール・スペンス・ジュニアの怪我が完全回復するよう皆さんも一緒に祈って欲しい。健康診断で目の状態が分かり良かったです。私は8月21日WBA世界ウェルター級王座をかけヨルデニス・ウガスと戦うことに合意しました」。コメントしている。

 スペンスは怪我とはいえスターダムにのし上がるチャンスを失った。ウェルター級でWBO王者テレンス・クロフォード(米)と2分するが、いまだ求心力の強いパッキャオと戦う意味は大きく、パッキャオに引導を渡せば世界的にネーム・バリューをあげる機会だった。

 下馬評はスペンスが有利。これは当然だろう。スペンスはウェルター級で身体も大きい。アグレッシブだが、マイキー・ガルシア(米)戦で見せたようにリード・ジャブを使いスマートに戦うことができる。

 一方、スペンスが全盛期に対しパッキャオは42歳。全盛期の攻撃スタイルからブラッシュ・アップしたとはいえ、スペンス相手にどこまで対抗できるのか。

 もちろん、これまでパッキャオは幾度となくアンダードッグを経験してきたが、年齢、24ヶ月のブランク、デビッド・ディアス(米)戦以来のサウスポーと不安要素は多かった。もちろん、パッキャオに対する期待は高いもの今戦ばかりは不利だった。

 直近、キース・サーマン(米)に勝ったことは称賛に値するがサーマンの強打を貰い止まるシーンも散見。強打を誇るスペンスがタフで危険極まりない相手だったことは間違いない。

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ヨルデニス・ウガスって誰

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ヨルデニス・ウガス

国籍 キューバ
年齢 35歳
身長 175cm
リーチ 175cm

階級 ウェルター級

WBA世界ウェルター級王者

米リング誌 4位
ESPN 5位

プロ戦績 30戦26勝12KO4敗 KO率40%

アマ戦績:不明
 2008年北京五輪 ライト級 銅メダル
 2007年パンアメリカン競技大会 金メダル
 2006年中央アメリカ・カリブ海競技大会 金メダル
 2005年AIBAワールドカップ 銀メダル

 アマチュア大国キューバ出身のウガスは35歳、米国に亡命しマイアミに居住。ラスベガスに本拠地を構える名匠イスマエル・サラス氏がトレーナーを務める。2008年北京五輪ライト級で金メダル、世界選手権で金、中央アメリカ・カリブ海競技会、パン・アメリカンで金メダルを獲得したアマ・エリートだ。

 2019年3月、ショーン・ポーター(米)に判定負けを喫したがウェルター級実力者ポーターを追い詰めたことで存在感を示している。現ウェルター級トップでは過小評価されている感がある。

 ジャッジは2−1でポーターを支持したがウガスが判定で勝っても不思議ではなくポーターはジャッジに救われたと言っても過言ではなかった。

 アベル・ラモスとWBA正規王者を争いタイトルを獲得。このとき、同級WBAにはスーパー王者パッキャオが君臨していたが、2020年コロナが世界を襲いパッキャオは試合が停滞。WBA(世界ボクシング協会)は、パッキャオを休養王者にスライド。ウガスをスーパー王者へ格上げした。

 「複数階級を制したレジェンドのパッキャオと戦えることを光栄に思っています。パッキャオに対しては敬意を払いますが勝つためにリングにあがる。イスマエル・サラス氏とパッキャオに対抗するゲーム・プランを練ります」。

 もともと、ウガスはパッキャオ対スペンスの前座でファビアン・マイダナと初防衛戦を行う予定だったが、マイダナがスパーリングで負傷。試合を辞退することが決まり急転直下、パッキャオ戦が合意。キャリア最大の舞台にあがるチャンスを得た。

 PBCと契約するウガスは人気のキース・サーマンやショーン・ポーター、ダニー・ガルシアの影に隠れスポット・ライトが当たりにくいがポーター戦で実力は証明済み。

 スペンスからウガスに変わったことで興行的にスケール・ダウンは否めず、オッズもパッキャオに傾きはじめ楽観ムードすら漂うが、テクニシャンのウガスはやりにくい相手。高齢、24ヶ月のブランクがあるパッキャオにとって難敵だ。

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パッキャオは大統領選出馬かスペンスはどうなるのか

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 スペンスは手術が成功し仮にパッキャオがウガスに勝ったとしてパッキャオと戦えるかは不透明だ。パッキャオは2022年フィリピン大統領選に出馬が濃厚。スペンス戦はキャリア最後の試合となる公算が高い。

 パッキャオは、圧倒的な知名度でフィリピン全土で根強い人気があるが、ドゥテルテ大統領の長女が最有力候補と見られている。

 世論調査ではロドリゴ・ドゥテルテ大統領の長女で、現市長のサラ氏が22%、次点にグレース・ポー上院議員13%、パッキャオ、ボンボン・マルコス氏が12%、現大統領のロドリゴ・ドゥテルテ氏の長女がパッキャオを上回る支持を獲得している。

 パッキャオは、AFPのインタビューで「適切なときに発表するつもりだ」。と述べている。

 大統領戦出馬となれば、ウガス戦が現役最後の試合となる。大統領選前ということで政治的な思惑も見え隠れするが、ボクシングというスポーツの枠を超え我々に希望を与えてきた生ける伝説の最終章は限りなく近いだろう。

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