クロフォード対ポーターWBOが指令!合意する可能性が高い

参照:TopRank

 テレンス・クロフォード(米)対ショーン・ポーター(米)。WBO(世界ボクシング機構)も随分と良いタイミングで指名戦を命じたものだ。WBOは、WBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォードに対しショーン・ポーターと指名戦を行うよう通達。30日間の交渉期間が与えられ合意に達しない場合、興行の権利は入札となる。

 ウェルター級でビッグ・ファイトが停滞するクロフォードにとって絶好の機会。交渉のハードルはあるもの合意する可能性は高い。入札制度や状況を簡単にみてみよう。

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トップランクは入札になれば不利

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 合意せず興行権が入札になればトップランク社が興行権を獲得できるとは限らない。

 世界中のプロモーターが大金をつぎ込めば興行権を手にすることができる。そうなれば、資金力が勝負になってくる。資金が豊富なプロモーターに興行権を落札されるリスクがくすぶる。

 クロフォード対ポーターのマーケット需要は高い。入札になった場合、トップランク社が落札に失敗したテオフィモ・ロペス(米)対ジョージ・カンボソス(豪)戦のような事態にも成りかねない。

 トップランク社は230万ドルを掲示したが、米トリラー社が600万ドルで興行権を落札。入札にはマッチルーム・ボクシングも参加、350万ドルで入札したがトリラー社には及ばなかった。

 もちろん、入札となればロペスのように受け取る報酬からマネージメント料がトップランク社に支払われるが、大きな収益となるビッグ・イベントを逃すことに変わりはない。ポーターにしてもタイトルチャンスを逃すはずがなく辞退するとは考えにくい。

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交渉の余地がある理由

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 PBC、トップランク、対立関係にあるもの同士だが合意の可能性はある。まず、ショーン・ポーターの立ち位置だ。WBC・IBF2団体はエロール・スペンス・ジュニア(米)が握りポーターはIBF2位につけるが、すぐにタイトルチャンスがくる見込みはない。

 スペンスは8月マニー・パッキャオ(フィリピン)との防衛戦。その後、IBFの指名戦がかせられる可能性があり少なくても年内のチャンスは難しいだろう。来年以降スペンスが階級アップすればタイトルが空位となりタイトル挑戦が舞い込む可能性はあるにしても、それがいつになるかはっきりしない。

 そして、クロフォードにしても、トップランク社との契約期限が迫るがWBOタイトルを返上する理由はない。もちろん、将来的にはスーパーウェルター級も視界にはいるが、いまこのタイミングで上げることはまず考えにくい。

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PPVは成功するのか

 まず、合意においてハードルなのが中継局の違いだ。トップランク社はESPN(米スポーツ専門チャネル)と契約。ポーターが契約するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と手を結んでいるのが米地上波FOX、Showtime(米ケーブルTV局)で対立構図が生まれる。

 共同で有料配信システムPPV(ペイ・パー・ビュー)ビジネス・モデルを採用するのが合理的だといえる。実際に今回と同様にタイソン・フューリー(英)対デオンテイ・ワイルダー戦は、トップランクーPBCの構図だったが共同PPV開催に持ち込まれている。だが、手を結んだのは興行規模が大きくなる期待があったことが背景にある。

 ポーターはスペンス戦の最低報酬が200万ドル。近い報酬を用意する必要がでてくる。PPV20万世帯としざっくりと計算してみた。

 ・PPV 1600万ドル(20万世帯)
 ・チケット収益(販促) 250万ドル
 ・各国の放映権料 100万ドル

 総興行収益1950万ドルだと仮定し、分配は衛星事業者が50%、FOX-ESPNが10%、残り40%がプロモーターだとすると780万ドル(約8億5600万円)となる。

 会場費、その他、コストがあるためプロモーターの配分すべてがボクサーの報酬にあてられないが、プロモーター分から100万ドルを経費とし場合、残り680万ドルから50%をボクサーの報酬とすると340万ドルが受け取るファイトマネーとなる。

 クロフォードは直近ケル・ブルック戦で400万ドル以上の報酬を受けとった報じられているため、PPVの売れ行き次第で受け取る報酬が下回るリスクはあるにせよ、300万ドル前後の保証の場合、必要な購買件数は20万世帯前後となる。

 クロフォードはPPVはアミア・カーン戦で15万世帯と販売不振におわったが、人気・知名度があるポーター戦が決まれば好材料となるだろう。

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クロフォードの課題は解決するのか

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 ESPNのインタビューによると「何年も真のエリート・レベルの対戦相手をのぞんできた。でも、相手が俺と戦うことに関心がなかった。でも、いまそのうちの1人が決断を迫られている」。

 クロフォードはこう述べた。

 クロフォードにとってこれ以上ない実力を証明する機会だ。PFP(パウンド・フォー・パウンド)上位に名を連ね、類まれの才能をもち実力は本物だが、ウェルター級強豪と対戦していないという大きな課題を抱えている。

 ウェルター級でライバルIBF・WBC統一王者エロール・スペンス・ジュニア(米)と比較されることが多いが、実はまだウェルター級で強豪と拳を交えていない。

 ジェフ・ホーン(豪)、ホセ・ベナビデス・ジュニア(米)、アミア・カーン(英)、エギディウス・カバラウスカス(ウクライナ)らに勝っている。ベナビデス、カバラウスカスは実力者に違いないがエリート・レベルと呼べるかは疑問だ。だが、圧倒的な勝利はクロフォードの実力に疑いの余地はない。

 もちろん、クロフォードもそんなことは認識済みで契約するトップランク社のマッチメークに苛立ちを隠せない。それもそのはず、33歳と全盛期に近いクロフォードはいまだビッグネームらと戦えていないのである。そして、PPV(ペイ・パー・ビュー)も販売不振と求心力は地元オマハに留り停滞気味。トップランク社との関係性にも亀裂が生じている。

 クロフォードは契約するトップランク社に対し弁護士を通じてマッチメークに関し抗議。トップランク社のボス、ボブ・アラム氏はクロフォードに対しセルフ・プロデュースが足り無いなど応戦。確執が表面化。クロフォードはトップランク社離脱をちらつかせている。

 もっとも、クロフォードとトップランク社の契約は10月に期限切れを迎える。クロフォードは、トップランクと契約延長せずウェルター級タレントを豊富に抱えるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)移籍が大方の見方だ。

 このまま、トップランク社に残留してもクロフォードのビッグ・ファイトの期待はできない。ウェルター級中心選手を揃えるのはライバルPBCだからだ。今後は、トップランク社傘下のホセ・セペダ(米)や、ホセ・ラミレス(米)との対戦も可能だがクロフォードが抱える課題を解決することはできないのは言及するまでもない。

 トップランク社ボブ・アラム氏は、クロフォード対ポーター戦に関し「11月になるだろう」と合意に前向き。もちろん、プロモーターの言葉はあてにならないが、前述したとおり合意する可能性はある。交渉期間は30日、決まれば好試合になるだけに交渉の行方から目が離せない。

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