井上尚弥2021年統一戦実現に暗雲カシメロ戦は実現できるのか

 年内統一戦を掲げるIBF・WBA世界バンタム級統一王者井上尚弥の統一戦は遠のきそうだ。バンタム級トップ戦線を取り巻く環境は変化している。統一戦が実現に持ち込めるかは交渉の手腕が問われることになりそうだ。井上の統一戦が難しい理由はプロモーター間の障害だ。簡単にみてみよう。

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統一戦の障害になるのがプロモーター間のTV局問題

 井上が標的するWBC王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)、WBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)ともに井上と契約する米トップランク社と対立するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と関係が深く合意する上でハードルになる。

 PBCを指揮するアル・ヘイモン氏がライバル関係にあるトップランク社に差し出すとは考えにくい。PBC内でリーグ戦が行われる公算が高い

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WBO王者カシメロの次戦はどうなるのか

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プロモーター:MPプロモーションズ

 IBF、WBAを統一する井上は、次のターゲットはWBO、WBCを保持する王者だが、井上が契約する米トップランク社と対立関係にあるプロモーターと関係性が深く井上が入り込める余地があるかどうか。王者の動向をみてみよう。

 WBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)は、コロナで延期した井上尚弥との統一戦は再開されたが、交渉決裂。カシメロは、井上と契約するトップランク社とライバルにあたるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)参戦を決定。カシメロの次戦は未確定なものPBCのリングが濃厚だ。

 PBCのリングでデューク・マイカー(ガーナ)を葬ったカシメロは現時点で次戦は確定していないが、すでにPBCと提携するShowtime(米ケーブルTV局)からオファーを受け、ギレルモ・リゴンドー(キューバ)が交渉テーブルにあがっている。

 もともと、井上とカシメロは2020年4月米ラスベガスで統一戦が決まっていたがコロナ禍で延期。ふたたび交渉がはじまったが決裂した。カシメロをプロモートするMPプロモーションズ・ショーン・ギボンズ氏は交渉のなかで主導権を握るトップランク陣営に嫌気がさした様子。もっとも、決裂理由は報酬条件だ。コロナの影響で無観客試合を強いられチケット収益がなくなり、資金調達が難しくなったのが要因だ。

 そして、ショーン・ギボンズ氏は井上との統一戦はオプションの1つとしてあげるも「交渉はゼロからのスタートだ」と消極的なことも統一戦交渉の不安材料の1つだ。

 カシメロの次戦の詳細は、「ジョンリール・カシメロの今後の対戦相手を占う2020年度版」こちらの記事を読んでほしい。

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WBC王者ウバーリの次戦はどうなるのか

プロモーター:リングスター・スポーツ
 
 ウバーリは次戦は2021年夏頃ノニト・ドネア(フィリピン)戦が有力で、その後はWBC暫定王者と統一戦がメイン・シナリオだ。井上が入り込める余地があるかどうか。

 来日したこともあるウバーリは、MTKグロバールに所属。トップランクとは対立するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)を指揮するアル・ヘイモン氏の息がかかるリチャード・シェイファー氏がプロモートしている。

 ウバーリはコロナ感染によりドネア戦が中止。母国フランスで選択防衛戦を行う計画だったが、新型コロナウイルスが再拡大した影響で渡航規制が解除される見通しがたたないため現地TV局が撤退を表明。興行中止が決まった。

 選択防衛戦が中止となったウバーリは指名権をもつノニト・ドネアと再び交渉がスタート。Showtimeが夏ごろを目処に中継したい意向を示している。詳しくは、「ウバーリ3月13日凱旋防衛中止に次戦はドネアが有力」こちらの記事を見てほしい。

 そして、判定結果が物議を醸したレイマート・ガバリョ(フィリピン)とエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦は、WBC(世界ボクシング評議会)が即時再戦を命じ初夏に実現する見通し。ガバリョがPBCと契約していることから、ウバーリ対ドネアのアンダーカードに組み込まれる可能性もあるだろう。

 ロドリゲス対ガバリョ再戦の詳細は、「WBCロドリゲス対ガバリョ即時再戦を指令バンタム級最新情報」こちらの記事を読んでほしい。

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ヘルウィン・アンカハスがトップランク離脱しPBC参戦

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プロモーター:MPプロモーションズ

 そして、バンタム級で鍵を握るのがヘルウィン・アンカハス(フィリピン)だ。トップランク社との契約を更新しなかったアンカハスはPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)へ参戦が決定。階級アップの余力を残すアンカハスが舞台をPBCに移す可能性は十分ある。

 アンカハスは2017年12月、トップランク社と複数戦契約を締結。契約期限を迎えたが更新せず離脱した。延長しなかった理由は明らかとなってないが、ビッグ・ファイト締結の見込みがないからだろう。アンカハスをプロモートするMPプロモーションズとしてもトップランクとのビジネス関係は良好とは言えないことも関係あるかもしれない。

 スーパーフライ級はトップ戦線はDAZN(ダ・ゾーン)が中心。ライバル関係にあるトップランク社と契約するアンカハスが切り込むには難しい理由がある。
 
 WBA・WBC王座を抱えるファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)はマッチルームと契約。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)もマッチルームと協調関係にある。

 アンカハスをプロモートするトップランク社はESPN(米スポーツ専門チャンネル)と提携関係にありTV局がマッチメークの障害となる。

 とはいえ、アンカハスはトップランク社と契約しキャリアは大きく飛躍したことは間違いない。初タイトル戦だったマックジョー・アローヨ(プエルトリコ)戦のファイト・マネーは日本円で僅か40万円。トップランクという大きな後ろ盾を得てファイト・マネーは大幅に上昇。直近、船井戦で17万5000ドル(約1930万円)。北米における市場価値は向上したことは間違いない。

 現状アンカハスは、PBCデビューとなるジョナサン・ロドリゲス(メキシコ)戦は単戦契約でフリー。今後は、DAZNやPBCといった舞台で戦うことが可能になる。

 バンタム級まで視野を広げれば、ドネアやウバーリ、ガバリョ、リゴンドーを抱えるPBCはアンカハスにとって魅力的なオプション。好戦的なアンカハスはが参戦することでカンフル剤にもなるだろう。

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今後のバンタム級戦線まとめ

 直近で行われる試合は以下のとおり。アンカハス対ロドリゲス戦以外は正式ではないにしろ、ウバーリ、ガバリョの対戦相手はほぼ決まり、中継局のスケジュール待ちだろう。井上はマイケル・ダスマリナスとIBF指名防衛戦に合意。会場は決まってないが規制が緩和が進む北米で行われる可能性が高い。

 2021年4月 アンカハス対ロドロゲス
 2021年4月? WBO王者カシメロ対リゴンドー
 2021年6月頃 WBA・IBF王者井上対ダスマリナス
 2021年初夏 WBC王者ウバーリ対ドネア
 2021年初夏 WBC暫定ガバリョ対ロドリゲス

 井上と統一戦が期待されるWBO王者カシメロは4月にギレルモ・リゴンドー戦の交渉が進み両陣営が同意したと報じられているがソースの信憑性は薄くどこまで確定しているのは不明。ただ、4月、5月の興行であれば正式アナウンスの通知は届くころだろう。

 WBC王座の行方はウバーリ対ドネアの勝者と、ガバリョ対ロドリゲスの勝者の統一戦が既定路線だ。年内に井上が統一戦ができるチャンスはおそらく9月以降。チャンスがあればWBO王者カシメロ戦だが交渉をまとめることができるかどうか。先行きは暗い。

 現状、カシメロはフリーだがPBCと契約すれば難しくなる。統一戦をPBC内で実現させたい思惑があるヘイモンはトップランク傘下にカシメロのレンタルを許すとは思えない。どうやって捕まえるのか。井上の統一戦実現はプロモーターの手腕が問われることは間違いない。

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