テオフィモ・ロペス、カンボソス戦は米トリラー社が興行権を獲得!

via teofimo lopez twitter account

 WBA・WBO・IBF世界ライト級3団体統一王者テオフォイモ・ロペス(米)は次戦予定されるIBF指名挑戦者ジョージ・カンボソス(豪)戦で、ファイトマネーがキャリア最高額の約4億円に到達することが分かった。トップランク社は指名戦交渉に失敗。興行権を落札したのは、TikTokに対抗するネット企業米トリラー社だった。

 トップランク、マッチルームは入札するもトリラー社には及ばなかった。今回は、簡単に興行権の入札背景と、トップランク社と契約するロペスの関係性を見てみたい。

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ロペス対カンボソスの興行権を落札した米トリラー社とは

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 トリラー社は、短編動画投稿アプリを運営。評価額は12億ドルに達するいわゆるユニコーン企業。2015年に創業、ボクシング界では2020年11月、マイク・タイソン(米)とロイ・ジョーンズJr.(米)のエキシビジョン・マッチの放映権を獲得して大きな話題となった。

 同社は、全世界で2億5000万回を超えるダンロードしたと主張。ダウンロード回数はTikTokには及んでいない。米国では2230万件ダウンロード。2020年10月、CEOマイク・ルー氏は月間アクティブユーザーは1億人に達したと述べているが、水増し疑惑があり正確な数値は不明。

 米ロサンゼルスを拠点とするトリラー社は、これまでハリウッド・スタジオやペガサス・テック・ベンチャーズなどの機関投資家と、スヌープ・ドッグ、リル・ウェインらエンジェル投資家から1億ドルを調達。投資銀行らと協議し上場を目指しているという。

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ロペスは巨額のファイトマネーを獲得

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 ロペスの市場価値は予想以上だった。獲得は争奪戦。交渉が合意しなかったIBF指名挑戦者ジョージ・カンボソス(豪)戦は興行権は入札に持ち込まれ、契約するトップランク社、マッチルーム・ボクシングで興行権が争われることが確実視されていたもの、破格の入札金額で興行権を落札したのは米トリラー社だった。

 興行権入札にはトップランク社、マッチルーム・ボクシング、トリラーが参加。トリラー社が2社を大きく上回る約600万ドルで興行権を落札。トップランクは約230万ドル(2億4500万円)、マッチルームは約350万ドル(約3億7300万円)で入札したがトリラー社には及ばなかった。

 IBFの入札規定により入札金額の65%(約4億2458万円)がロペスの報酬となり、そこから約80万ドル(約8491万円)がトップランク社に支払われる。カンボソスは35%(約2億2290万円)が報酬、そこから25%(約5300万円)が契約するルー・ディベラに支払われる。

 指名戦を命じられたボクサー同士の契約するプロモーターの違いから交渉が難航し入札に持ちこまれるケースはあるが、今回のように交渉が進み契約するプロモーターとボクサーが条件面で破断するケースは稀。興行権が入札になった場合、最高額を掲示したプロモーターが興行を主宰する権利を獲得できる。

 「トップランクから金額が掲示されたけど馬鹿げていた。マーケットは我々を正しく評価すると予想していた」。ロペスは、契約するトップランク社から125万ドル掲示されたが不満をしめし承諾せず、暗礁に乗り上げカンボソス戦の興行権入札の動向に注目が集まっていた。文字通りロペスは大金を手にすることができた。

 ロマチェンコに勝ち評価をあげたロペス陣営は、トップランク社に対し550万ドルの報酬を要求。しかし、トップランク陣営は125万ドルから交渉の余地はない姿勢を崩さず交渉はエスカレート。ロペス陣営も譲らずトップランク社のバナー以外で戦うことも辞さない構えだった。

 実際、放映権料を支払うのはトップランク社ではなく提携関係にあるESPN(米スポーツ専門チャンネル)だ。報酬アップに応じなかったのは大方、カンボソスが北米で無名に近く話題性が乏しからという理由だろう。当初、カンボソスの故郷オーストラリア開催を探っていたのは、資金調達面だろう。

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トップランクはDAZNに報復か

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 今回の件を面白くないと思っているのは米トップランク社だ。矛先は、トリラー社というよりは、入札に参加したマッチルームに向かっている。米アスレチック社によれば、トップランク社ボブ・アラム氏は、DAZN(ダ・ゾーン)と提携関係にあるマッチルームにロペス対カンボソスの入札に関し警告したという。

 ライバル局にロペスをあげるわけにはいかないトップランク社は、マッチルームが入札に参加した場合、契約成立がのぞまれるWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英)とWBA・WBO・IBF統一ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(英)の交渉に影響を与える可能性があると話したという。

 今後は、トップランク社とDAZNの関係悪化が懸念される。トップランク社は、スーパーライト級4団体統一戦ラミレス対テイラー戦を5月8日に予定していたが、DAZNが同日カネロ対BJサンダース戦を計画しているため、その日をDAZNに譲り5月22日にスライドした背景がある。

ロペスはトップランク社の報酬に不満

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 ロペスの言い分も理解できる。まだ、23歳ながらプロ転向後、リスクをテイクし速いスピードで成長。若手のなかで最も勢いのあるボクサーと言っても過言ではない。ロマチェンコに勝ったことでロペス株は急伸。2020年、ボクサーにとってもっとも名誉である全米ボクシング記者協会(BWAA)の年間最優秀選手賞を受賞。報酬アップは当然の要求だ。

 2016年リオ五輪をおえたロペスはトップランク社と契約。プロ入りし圧倒的なパフォーマンスでKOを量産したロペスは一気に注目を浴び2017年米YahooSportsで年間最優秀若手選手として選出。2018年、ふたたび米YahooSportsから年間最優秀若手選手として選出、米リング誌が年間最優秀若手選手として選出した。

 その後、中谷正義戦でキャリア大苦戦を負う試練はあったが結果をだしトップランク社に大きく貢献。中谷戦は出来が悪かったロペスだが、期待値が織り込まれリチャード・コミー(ガーナ)戦はオッズは有利だった。

 コミーを粉砕したロペスは時期尚早と言われたが、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を12回判定の大番狂わせ。ESPN(米スポーツ専門チャンネル)で中継されたボクシングで2017年7月、パッキャオ対ジェフ・ホーンの次点となる400万世帯に近い視聴件数を記録。大きな話題を集めた。

 もちろん、ロペスが要求した550万ドルが適正かどうか議論する余地はあるが、報酬は前回のロマチェンコ戦以上積まれないと納得がいかないロペス陣営は十分理解できる。

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ロペスとトップランク社の関係が暗雲

 ボブ・アラム氏は、スーパーライト級4団体統一の機会を与えないと脅していただけに気になるのが、ロペスとトップランク社の関係だ。米トップランク社と7年契約を結んだロペスは残り3年半契約が残っている。

 ロペスがカンボソス戦を無事クリアすると、とりわけ懸念されるのがトップランク社との契約だ。カンボソス戦で約4億円の大金を掴むことに成功したが、カンボソス戦以降はトップランク社に戻ることが確実。報酬や条件で揉める公算は高い。

 ただ、ロペスにしてもトップランク社と揉めても良いことはない。階級をあげ最速最短でスーパーライト級4団体統一王者とマッチメークするにあたりトップランク社の協力は必要不可欠だからだ。

 そして、気になるのが米トリラー社の動向。今後、北米のプロ・ボクシングに本格参戦するのかどうかだ。5月、ロペス対カンボソス戦のほか、4月17日に米国でYouTuberジェイク・ポールのアンダーカードで、レジス・プログレイスとイバン・レドカフ戦がセットされる見通し。

 ただ、新規参入したDAZN(ダ・ゾーン)を見ればわかるとおりボクサー獲得には巨額の資金が必要。過去にはヒップホップ界のカリスマ、ジェイ・Z率いるRNS(ロックネイション・スポーツ)が参入したもの撤退を余儀なくされたケースもあり新規参入は簡単ではない。今後の動向に注目したい。

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