WBC世界スーパーフェザー級新王者となったオスカル・バルデス(メキシコ)とシャクール・スティーブンソン(米)戦実現を期待する声が高まっている。ベルチェルトを一発で沈めたバルデスは「スティーブンソンが対戦を望んでいることは聞いている。やろうじゃないか」。試合後のインタビューでリングサイドで観戦していたスティーブンソンに対戦を呼びかけ意欲を示した。
バルデス対スティーブンソンの実現度合いをみてみよう。
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バルデス対スティーブンソン実現の障害はない
ベルチェルト対バルデスの試合結果は、「【結果】ミゲル・ベルチェルト対オスカル・バルデス」こちらを読んで欲しい。
トップランク社ボブ・アラム氏は「バルデス対シャクールはモンスター・ファイトになる。ベルチェルト対バルデス戦がおわるとシャクールが駆け寄ってきて次は誰がいいか問いかけてきた。両陣営と話し合い実現する方法を模索する」。と実現に前向きだ。
もっとも、2人の対戦はバルデスがWBOフェザー級王座だったときにも浮上していた。バルデスはWBO(世界ボクシング機構)から同級1位指名挑戦者のポジションにいたシャクール・スティーブンソン(米)との指名戦を命じられたが、指名戦に関心を示すことなくスーパーフェザー級転向を決めた座を返上。実現できなかった背景がある。
トップランク傘下同士で交渉のハードルはない。両陣営が対戦実現に前向きであれば、TV局の障害もなく実現に関してはタイミングと条件次第だろう。
バルデスは3月中東ドバイで行うWBO世界Sフェザー級王者ジャメル・ヘリング(米)とカール・フンランプトン(英)戦の勝者と戦う権利を持つも、勝者がスティーブンソン戦を受け入れるかは不透明だ。
Sponsor Linkスティーブンソンはメキシカンのバルデスが好敵手
マッチメークにしても話題性は十分だ。スティーブンソンにとってバルデス戦実現のメリットは大きく、相性的にも理想的。リオ五輪バンタム級銅メダルを獲得したシャクール・スティーブンソンは次期スター候補だ。
黒人特有のバネもあり身体能力が高く攻防も高い水準でPFP(パウンド・フォー・パウンド)に推す声も多い。だが、一方で23歳と若くこれまで人気・実力を兼ね備えたボクサーとの対戦はなく知名度不足の大きな課題がある。そういった意味でも商品価値向上するにあたりメキシカンのバルデスは適任であることは間違いない。
実現すれば、オッズも興味深い。ふたたびベルチェルト戦と同じようにバルデスにアンダードッグのフラグが立つのかどうか。過小評価されている感もあったことは確か。ベルチェルト戦でバルデスの評価が見直されたことは間違いないが、盤石の基盤をもつスティーブンソンが若干有利になるだろう。
Sponsor Linkバルデス対スティーブンソンは初夏5月か6月
交渉のハードルはないがプロモーターの思惑もありどうなるのか不透明感はあるが、対戦交渉が上手くいけば開催は2021年初夏頃か。実現に向けプロモーターが同じであり障害はなく、報酬面で同意できるかがポイント。収益の柱となるイベントを主宰するトップランク社が有観客開催に運べるかどうかも焦点となるだろう。
米国は州によってスポーツ・イベントの規制が緩和されている。コロナ禍で米ラスベガスにあるMGMグランドを拠点に無観客イベントをしてきたトップランク社は、4月以降のイベントを有観客に切り替える方針を示している。
イベント規制が厳しかった米ニューヨークではアンドリュー・クオモ知事は、スポーツイベントを収容人数の10%を上限として開催することを承認。2月23日から、スポーツ、音楽イベントなど大型スタジアムでの観客受け入れが再開される。
トップランクは4月から米ラスベガスMGMを離脱。4月24日、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)とクリストファー・ディアス(プエルトリコ)で争われるWBO世界フェザー級タイトルマッチは、フロリダ州マイアミで挙行。ニューヨークや他の地域でも有観客イベントを模索することを明らかにしている。
5月22日、ホセ・ラミレス(米)対ジョシュ・テイラー(英)のスーパーライト級4団体統一戦は、米ラスベガスに戻り有観客が期待される。もちろん、予断は許さない状況だが米国は新規感染者数は減少傾向。ワクチン接種が進むイスラエルから、感染予防の高いデータが示されたことは明るい兆しと言えるだろう。
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