ポーター、クロフォード戦の交渉が浮上したがトーン・ダウン

 ウェルター級で期待されるマッチメークの1つだろう。元IBF王者ショーン・ポーター(米)は、WBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード(米)戦の交渉が浮上したもの掲示された200万ドルのオファーに満足していない様子だ。

 200万ドルはエロール・スペンスJr(米)戦の報酬と同額。ローカル・スターのクロフォード戦は有料課金システムPPV(ペイ・パー・ビュー)セールスの懸念は拭えないが、ポーターにとって多くの報酬を生み出すオプションだった。簡単にみてみよう。

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クロフォードは不人気で全米レベルではない

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 まず1つがクロフォードのPPVセールスの実績が乏しいことにある。これまでPPVイベント2戦したが、いずれも販売不振におわりPPVスターとして証明されてない。33歳プライム・タイムを迎え実力は間違いないが、セルフ・プロモーション能力は高いとは言えず地味。人気面で全米レベルとはいえず大きな課題を残している。

 クロフォードは、パウンド・フォー・パウンド(PFP)トップの地位を争う存在まで上り詰めたが、人気は地元ネブラスカ州オマハのローカル・ヒーローに留まる。人気面では、北米で右肩あがりに増えるヒスパニックの大きな支持基盤があるカネロや、ライバルのWBC・IBFタイトル保持者のエロール・スペンスJr.(米)には及ぼない。

 クロフォードは、2016年7月米ラスベガスにあるMGMグランドでWBC王者ビクトル・ポストル(ウクライナ)とWBC・WBO2団体王座統一戦で念願のPPVデビューをはたしたもの5万件という散々な結果に終わった。

 ポストルは北米で知名度はなかったが直近、ルーカス・マティセ(アルゼンチン)を番狂わせで下し注目に値する興行だったが、クロフォードの不人気はプロモートするトップランク社(米有力プロモーター)や中継したHBO(米プレミアム・ケーブルTV局)の想定以上だったと言わざるを得ない。

 そして、2019年4月米ニューヨークの殿堂MSGでクロフォードは、米英で一定の知名度があるアミア・カーン(英)と2度目のPPVファイトが設置。30万世帯以上のセールスが期待されたが、またしても15万件と購買件数は伸びなかった。

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ポーターにとってクロフォードは悪くない相手

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 PPVセールスは期待できなくリスキーなファイトだが、ポーターは主戦場にするPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)でクロフォード戦以上の大金が入るマッチメークは期待できない。PBC主力選手の1人にちがいはないが興行ではB面でオプションは多くない。


 PBCはウェルター級タレントを揃えるが、スペンスを軸に総当りでぶつけ話題を集めていたマッチメークは限界を迎えている。ポーターはどういった路線に方針をかためるのだろうか。

 スペンスとの再戦を目指し、キース・サーマン(米)やダニー・ガルシア(米)らと再戦したところで報酬アップは期待できない。かといって巨額の資金を動かすWBA休養王者マニー・パッキャオ(フィリピン)戦に名乗りあげたとしても、パッキャオがPPVスターでないポーターをピック・アップすることはまず考えられない。

 同じPBC傘下のWBAスーパー王者はヨルデニス・ウガス(キューバ)は、WBC・IBF世界ウェルター級統一王者エロール・スペンスJr.(米)と統一戦が規定路線だ。パッキャオは、マイキー・ガルシア(米)、ライアン・ガルシア(米)ら金になるファイトを模索している。

報酬200万ドルは悪くないオファー

 「ボクシングはビジネスであることは十分理解している。だが、200万ドルで交渉がスタートしたことは馬鹿げてる。ウェルター級は最もホットな階級であることは誰もが知っている」。

 PPVセールスが期待できないだけにポーターの不満は理解できるが、そのポーターもPPVファイトは興行のB面だったスペンス戦しか実績はない。ただ、20万世帯にまで届けば200万ドルから報酬を押し上げることは可能。ポーターにとって悪くない条件だった。

 仮にPPV価格を70ドルに設定し20万件売られた場合の収益は1440万ドル。50%が衛星事業者、10%がプロモーター、残り40%(576万ドル)がボクサーのPPVボーナスとして支払われれば、最終的に受け取るファイトマネーは200万ドル超える試算になる。さらに有観客開催になればゲート収益も期待できることから、報酬は見直される可能性はある。

 だが、期待されるPPVは20−30万世帯前後でハードルになるのがトップランク社とPBCが共同プロモートに踏み切るかどうかだ。米英対決として話題を集めたデオンテイ・ワイルダー(米)対タイソン・フューリー(英)戦が共同歩調に動いた理由は100万世帯を超えるPPVセールスが期待された背景がある。

 トップランク社のマッチメークに不満を募らせるクロフォードは、弁護士を通じてトップランクに抗議。トップランク社との契約は2021年10月で期限切れとなりその後、PBC移籍する見方があるだけにトップランクとの関係性に亀裂が生じたクロフォードがどう動くか注目したい。

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