村田諒太対ゴロフキン決定!放映権を手にしたのはアマゾンだった

 日本史上最大のメガ・ファイトが締結。12月29日、さいたまスーパーアリーナでWBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)がIBF世界ミドル級王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)と統一戦を行うことが決まった。Amazonプライムが独占生配信する。

 驚きだったのが放映権を手にしたのは世界を台頭するGAFAMの1企業Amazonだった。本来であれば、村田を手厚くサポートしてきた地上波フジテレビが手にしたかったことは間違いないだろう。潤沢な資金を持つ外資には勝てずコンテンツをもっていかれた格好だ。

 なぜAmazonが参入したのか。交渉が長期化した理由をみてみたい。

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村田対ゴロフキン交渉の長期化要因

 最終的に受け取るファイトマネーは20億円は超えてくるかもしれない。
 
 まず、大きな課題だったのが2人の報酬の資金調達。ゴロフキンがDAZNと直接契約していたこともネックだった。タフな交渉を強いられるなか現れたのがAmazonだったのだろう。

 DAZNは、ゴロフキンと100億円の大型契約を締結したものドル箱スター、カネロとの再戦プランが頓挫。セルゲイ・デレイビャンチェンコ(ロシア)に勝ちIBF王座を手にしたものビッグ・ファイトは実現せず、喫緊の課題は資金回収だった。

 DAZNが首をなかなか縦にふらなかったのは、村田の知名度が日本国内に留まるからだろう。もちろん、グローバル戦略としてアジア圏で日本も大きなマーケットにちがいないが、村田のファイトマネーを含め数十億円をDAZNが放映権料として支払うだろうか。

 とはいっても、村田をサポートしてきた電通やフジテレビから莫大な資金を調達できるかは疑問。資金調達を含め最終的にホスト局がどこになるのかも焦点だった。

 北米で数十億円規模の興行が行わることは珍しくないもの、有料配信PPV(ペイ・パー・ビュー)のビジネス・モデルが採用されることが殆ど。ホスト局の放映権料だけではまかないきれない。

 引退したマニー・パッキャオ(フィリピン)、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米)をはじめ数十億〜数百億円という巨額の報酬を手にしたPPVファイターの資金源はPPVなのである。

 先日、11月米ラスベガスで挙行したカネロ対カレブ・プラント(米)戦。カネロは4000万ドル、相手のプラントも1000万ドルの報酬が確約されている。ホスト局Showtime(米ケーブルTV局)はPPV価格を約80ドルに設定、損益分岐点が50万件。丁度、カネロの報酬をまかなえる金額だ。

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村田はキャリア最高額のファイトマネー

 「村田のファイトマネーも過去最高額」。
 
 村田の報酬は公開されてないもの、契約する帝拳プロモーションズ本田会長が断言するとおり日本人が受け取るファイトマネーとして最高額であることに疑いの余地はない。

 日本ではタイソン対ダグラス戦を除くと94年に行われた辰吉対薬師寺戦。3億40000万円で入札され1億7000万円を手にしたが、数十億円という巨額の金が動く村田対ゴロフキン戦は興行規模で遥か上。北米で主力マーケットの中量級ビッグ・スターを招致したことの意味は大きい。

 ゴロフキンはDAZNから10億円(DAZN株式含む)以上。今戦は自身が設立したGGGプロモーションズと共同イベント。チケットやスポンサー収益、母国からの放映権を含め最終的に手にする金額は増える。

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フジテレビは譲るしかなかった

 日本はAmazonプライムが独占生配信。DAZNは、日本とゴロフキンの故郷カザフスタン以外、北米をはじめ世界200カ国以上でストリーム配信することでまとまった。

 報じられているとおり興行を主催する帝拳プロモーションズは水面下でAmazonとも交渉していたのだろう。フジテレビはAmazonに譲るしかなかったことは間違いない。

 最終的にどうまとまったのかは定かではなく憶測だが、DAZNがゴロフキンの報酬を支払うが受け取る報酬は下方修正された可能性は否定できない。ゴロフキンは村田との交渉時にDAZNとの契約を一部更新したと報じられている。
 
 DAZNと契約したものスティーブ・ロールス(米)、セルゲイ・デレイビャンチェンコ(ロシア)、カミユ・シェルメタ(ポーランド)らと対戦したものビッグ・ファイトとはかけ離れたマッチメイク。報酬の見直しが入った可能性はある。

 資金調達を模索するなか浮上したのがAmazon。数十年長期低迷している日本企業。一方、Amazonは、創業27年で時価総額200兆円と世界で台頭する超巨大企業へ成長。主力のクラウド事業AWS、Eコマース、サブスクリプション・サービス、Amazonプライムも手掛けている。

 Amazonプライムのようなネット配信型はフジテレビとビジネスモデル、マーケットこそ異なるが資金力は桁違いだ。Amazonプライムのコンテンツ制作費は60億ドル(約6832億1500万円)。一方、フジテレビの直近の番組制作費は640.6億円だ。

 Amazonは、村田の報酬や数千万円にのぼる経費、ゴロフキンのファイト・マネーを補填したのだろう。

 もう1つ、発表が遅れた理由は新型コロナウイルスの影響だ。

 日本は新型コロナウイルスの新規感染者が2桁台となったが、海外渡航者の隔離ルールや大型イベントの規制など欧米と比較すると日本は厳格。規制緩和が進まなかった影響は大きかったことは間違いないだろう。

 何れにしても交渉に従事した帝拳プロモーションズ本田会長に感謝したい。

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Amazonはスポーツ市場に初参戦

 「日本で喜んでもらえるコンテンツを考え機会を待っていた」。

 すでにAmazonは、米国のスポーツ市場に参入を果たしている。米NFLの「サーズデイ・ナイト・フットボール」の独占配信権を獲得。年間約10億ドルを支払うことに合意し存在感を高めている。

 主力のクラウド(AWS)、ECコマースに加えサブスクリプション・サービスのAmazonプライムは成長事業の1つ。日本でスポーツ市場を開拓する上で村田対ゴロフキンはこれ以上ないコンテンツ。絶好の投資タイミングだったことは間違いない。

 日本で村田対ゴロフキン戦がはじめての参入となるが、今後も継続していく方針だという。ボクシング・コンテンツは根強い人気があるが、スポーツ単体としては低迷。Amazonがどこまで踏み込んでくるだろうか。

 何れにしても、Amazon参入は日本にビッグファイトを呼び込む際の強力なバックになることは間違いない。地上波離れは加速、近い将来、地上波からボクシング・コンテンツが消える日が近いかもしれない。

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