ドネア対カシメロ再浮上!井上の統一戦はどうなるのか

 ドネア対カシメロの対戦交渉が再浮上。米ベテラン記者スティーブ・キム氏によれば、2021年後半実現に向け、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)とWBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)の交渉が具体化したことが分かった。

 ドネア対カシメロは8月合意したが、カシメロ陣営のエスカレートする挑発に嫌気がさしたドネアが撤退を決め破断。一方でドネア陣営はソーシャルメディアでカシメロ陣営と交渉する余地が残っているとコメントしていた。

 12月は井上の防衛戦が日本で計画され、井上はカシメロとの統一戦を強くのぞんでいる。年末の防衛戦が可能なのかバンタム級王座統一戦の動向を占ってみたい。

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日本開催が焦点

 日本開催が条件となりそうだが、日本は新型コロナウイルスの感染拡大は止まらない。新規感染者数は一時より鈍化してきているが、この状況下で一定数以上の観客を動員して開催する運びに持ち込めるかは不透明感が漂う。はやくても来年以降だろう。

 緊急事態宣言下で先行きが見通しにくいなかで合意できるだろうか。最大の不安材料は新型コロナウイルスの感染拡大だ。東京は年始から緊急事態宣言が続いているが、実効力は弱く緊急事態宣言は長期化。変異株が猛威をふるっている。

 東京ではデルタ株が急拡大し医療逼迫。軽症の場合は原則自宅療養、中等症の場合でも条件によって緊急搬送できない場合もあるといった非常事態に陥っている。

 計2回のワクチン接種率は40%を超えたが感染拡大の抑止には至っていない。ワクチン接種の効果が見えるのはまだ先だろう。こうした先行きが見通しにくいなかで、井上とドネアの対戦交渉が具体化したとしても12月合意に持ち込むことは現実的とは思えない。

 かといって、決戦地を北米に移して開催できるのか。

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ドネア、カシメロにしろ交渉難航が予想される

 北米で難しいのはプロモーター間の障害あるからだ。井上を北米でプロモートするのは有力プロモーターの1つトップランク社だ。一方でドネア、カシメロはトップランク社と相反する有力選手を傘下に収めるPBCと協調関係にあるプロモーターで交渉は難航する恐れがある。

 ノニト・ドネア(フィリピン)はPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)を仕切るアル・ヘイモン氏の息がかかるリチャード・シェイファー氏がプロモート。シャイファー氏は、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)をデラ・ホーヤ氏と立ち上げた敏腕プロモーターで現在はリングスター・スポーツ社を設立し独立している。

 北米で井上戦をマッチメークするうえで障害になるのがTV局の違いだ。

 井上はトップランク社と契約している関係で北米ではESPN(米スポーツ専門チャンネル)以外のリングにあがることは限りなく難しい。ドネアはTV局と契約しているわけではないが、数々のマッチメークをしかけてきたシェイファー氏とPBCの結びつきは強く、シェイファー氏がドネアをESPNの舞台にあげることを認めるだろうか。

 もちろん、ビッグファイトであればシェイファー氏も応じるだろうが。

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ドネア、カシメロは日本を目指す

 もし、すぐに合意できる話であれば、いまごろ、井上とドネア再戦が北米のリングにセットされているだろう。合意において最大の懸念材料が報酬だ。

 井上とドネアはファンが求める試合内容になることは言及するまでもないが、軽量級に関心が薄い北米が決戦地となると報酬は大幅に下回るだろう。ドネア対ウバーリ戦、ウバーリは21万6540万ドル(約2380万円)ドネアの報酬は僅か14万4360ドル(約1590万円)と興行規模は小さかった。

 世紀の凡戦におわったカシメロ対リゴンドーも低予算興行。カシメロの報酬は大幅にアップしたが17万5000ドル(約1920万円)、リゴンドーは20万ドル(約2190万円)だった。

 カシメロやドネアが日本開催を臨むのは多額の報酬が見込まれる他ならない。井上の試合となれば会場はフルハウスになる。米ラスベガスが聖地と紹介されるが、軽量級の中心地は間違いなく日本だ。

 わざわざ、空席の目立つ北米のリングではなく商業的に成功が約束される日本開催が合理的。だが、前述したとおり、無観客では収益の柱となるチケット収入がなければ、カシメロやドネアの報酬は減額を免れない。もちろん、主催者側としては無観客開催の選択肢はないだろう。

 観客動員に関しては、政府がワクチン証明を発行し飲食店やイベントに活用する方針を示したことで、入場規制が緩和される可能性があるがデジタル証明の発行が年内いつになるかは分かっていない。

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ドネア対カシメロ中止理由

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 ドネア対カシメロ戦中止について振り返ってみたい。北米ではインパクトに欠けるがフィリピンでは話題沸騰になるだろう。

 バンタム級屈指の好カードは元の鞘に戻った。当初、カシメロ対リゴンドーが正式アナウンスされたが、急遽対戦カードがWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)とWBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)に変更になったのである。

 これは、ドネア陣営が契約するリチャード・シェイファー氏に話を持ちかけ、Showtime、PBC陣営が協議し決めたことが背景にある。

 最終的にPBCを仕切るアル・ヘイモン氏が、観客受けしないリゴンドーより、好戦的なドネアとカシメロに対戦カードを変更。リゴンドーは辞退を余儀なくされた。

 ところが、カシメロ陣営がVADAのドーピング検査を拒否したことが報じられ、雲行きが怪しくなりドネア陣営が撤退を表明。経緯としては、ドーピング検査の論争からドネアの妻レイチェルシ氏への蔑視発言に発展しドネアが撤退を決めたのがおおまかな流れ。

 両陣営はソーシャル・メディアで論争をはじめると、カシメロ陣営は嫌がらせじみた投稿をツイート。カシメロ陣営がドネアの妻でマネージメントするレイチェル夫人に蔑視発言をするなどエスカレートした。

 カシメロのVADAの登録が確認されたものドネアは撤退する姿勢は変えなかった。

 少し、状況を整理してみると色々分かってきた。

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カシメロのVADA書類提出は期限内だった

 日本ではカシメロがVADAの検査を回避したと報じられているが事実は違っている。

 ドネア陣営は期限内にカシメロ陣営がVADAの書類を提出しなかったと主張しているが、VADAのマーガレット・グッドマン氏のメール履歴からカシメロ陣営が書類を期限内に提出したことが分かっている。

 これに関しドネア陣営はだんまりを決め込み、レイチェル氏は期限を記載したツイートを削除している。

ドネアはビクター・コンテ氏とタッグ

 カシメロ陣営の蔑視発言や言動は許されるものではないが、ドネアが正義。カシメロを悪者にすれば分かりやすい構図になる。

 日本では、カシメロがドーピング界で悪名高いエレディア氏と組んだことでドーピング疑惑を報じているがフェアーと言えるかは疑問だ。

 エレディア氏については、「ドネア対カシメロが中止になった理由」こちらの記事を読んでほしい。

 ドネアは、ドーピングで実刑を受けているビクター・コンテ氏とコンビを組んでいることは日本のメディアでは殆ど報じられていない。

 コンテ氏は、栄養補助食品を扱うバルコを創設。当初は、合法的なサプリメントの販売を行っていたが、運動能力を向上する薬物を取り扱うようになった。

 陸上選手のマリオン・ジョーンズやティム・モンゴメリなどに禁止薬物を提供したと証言。禁止薬物を提供したことを認め実刑判決を受けている。

 その後、サプリメントを提供するSNACを設立。ノニト・ドネアをはじめ、ショーン・ポーター、マイキー・ガルシア、ケイレブ・プラント、アミア・カーン、ダニエル・ジェイコブス、アンドレ・ベルトといった著名ボクサーの栄養アドバイザーを務めている。

 コンテ氏は、関与を否定しているものアンドレ・ベルトはドーピングで陽性反応がでている。

 複数階級したドネアは一時ドーピング疑惑が浮上したことがあるが、ドーピング検査で陽性となったことはない。もちろん、疑惑が報じられたカシメロもキャリアのなかでドーピング検査で陽性になったことはない。

 何れにしても、12月に井上の防衛戦が日本で行われるかは新型コロナウイルスの感染状況からして厳しいと言わざるを得ない。次戦は北米トップランク・カードで選択防衛戦が濃厚だろう。ドネア対カシメロが12月に決まったとして井上の4団体統一戦は、はやくても2022年春以降だろう。

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