カネロ対プラント4団体統一交渉決裂の理由次戦はどうなるのか

 カネロ対プラント、スーパーミドル級4団体統一への道が開かれたが交渉は失敗におわった。米ESPN(スポーツ専門チャンネル)から合意が近いと報じられ契約成立の期待が高まったが一転、決裂のニュース。交渉の余地は残っていたが時間切れ破断となった。プラント戦を諦めたカネロはWBA世界ライトヘビー級王者ディミトリー・ビボル(ロシア)が最有力となる。

 カネロ対プラント戦の交渉、カネロ、プラントの次戦を占ってみたい。

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交渉難航が報じられたが一転

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 契約条件をめぐり交渉の駆け引きは続いていた。カネロと親交を深めるマッチルーム率いるエディ・ハーン氏は、難航理由にプラントと契約するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)陣営が複数戦契約を条件に掲示したことを明かしたが、PBC陣営は単線契約も辞さないと反論。両陣営の主張は食い違っていた。

 カネロはどのプロモーターにも属さずTV局との契約はない完全なフリー・エージェントだが、拘束されない単線契約をのぞみ、そのためにPBC側の米地上波FOXやShowtime(米ケーブルTV局)のプラットフォームに上がることは問題ないとし、交渉はPBC陣営の米地上波FOX、有料配信PPV(ペイ・パー・ビュー)で進んでいた。

 交渉期限がせまるなか交渉は進まず、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の再戦案が浮上。商業的にゴロフキンとの再戦案は有効なものメジャー4団体制覇に拘るカネロが即座に方針転換するとは思えず、カネロ陣営のPBCに対する牽制の意味合いも強かった。

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合意目前から破断

 ESPN(米スポーツ専門チャンネル)マイク・クッピンガー氏から、カネロ対プラントの交渉が最終段階にあると報じられ合意の期待が高まり正式決定のニュースが待たれたが、カネロ陣営が契約条件に同意せず破断となった。

 以前の記事は、「カネロ対プラント交渉難航から一転合意寸前」こちらの記事を読んでほしい。

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プラント陣営の主張

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 交渉決裂が報じられるとカレブ・プラントが「カネロ4000万ドル、メキシコの放映権、ヘネシーのスポンサーになることが決まっていた。戦うことに問題はない。我々は彼の条件をのんだ」と声明を発表。カネロ陣営の条件を明かしている。

 マッチルームとの契約が切れたカネロ。交渉の窓口を務めたのがヘッド・トレーナーでありマネージメントも行うエディ・レイノソ氏だった。

 カネロ陣営の条件は以下の通り。
 ・カネロが負けた場合のみ有効な再戦条項
 ・PPV(ペイ・パー・ビュー)歩合金額のアップ
 ・22x22 サイズのリング
 ・プラントが病気や怪我になった場合、代役で同額ファイトマネーの保証

 商品価値がものをいう理不尽極まりないのがプロ・ボクシング界だ。一方的な条件だが興行の主役ボクサーが交渉の主導権を握るといっても過言ではない。

 ヒスパニック層の恩恵を受ける北米のボクシング市場。メキシカンのカネロがAサイドだ。どうしてもBサイドのボクサーは、条件を飲まざるを得ないが実情。プラントは金銭面の条件は議論するまでもなく同意したという。

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PBCは単線契約するつもりだったのか

 巨額の報酬の裏になにがあったのか。ESPNによると、カネロが4000万ドル(約43億8500万円)、プラントは1000万ドル(約11億円)が2人のファイト・マネーだという。どう考えても1試合でそこまでの資金を回収することは難しい。赤字覚悟であっても複数戦契約しなければ割にあわない。

 理由はPPVが100万世帯を超えても資金回収できないからだ。PBCもカネロ陣営の条件をすべて受け入れる代わりに複数戦契約の条件をカードとして切ったことは間違いない。

 まず、両雄の報酬5000万ドルを確保するには、ざっくりPPV収益だけで計算しても150万世帯以上を売り上げる必要がある。

 2013年行われたメイウェザー対カネロ戦のPPV売上が220万世帯、PPV収益は約1億6500万ドル(約180億円)。そこから、ボクサーの報酬4割と考え6600万ドル。メイウェザーの最低保証額が約4000万ドル、カネロは1200万ドルであれば十分賄える。

 この他に、ゲート収益(チケット販促費)、各国の放映権、クローズド・サーケット、スポンサー収益で総興行収益はさらに引き上がる。

 カネロ対プラントで200万世帯を超えることは限りなく難しい。カネロは露出が増えたとはいえ、PPVは不法ストリームの影響やPPV乱立の影響もあり縮小傾向にある。興行のAサイドだったカネロは2017年ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦は130万世帯と期待値より下回っている。

 年間4試合とカネロの露出が増えたが、カレブ・プラント(米)戦でゴロフキン戦以上にPPVを売上ることができるかは不透明。4団体統一戦は興行の追い風になるとはいえ、プラントはゴロフキン戦のような相乗効果の期待は薄く200万世帯には届くことはないだろう。

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PBCは複数戦契約を条件

 米ESPNの記事によれば、PBCはカレブ・プラント戦のほか12月メキシコ、さらにもう1戦を契約条件に追加したと報じている。

 カネロに4000万ドル保証。残り2戦で資金を回収する計画だったのだろう。何れにしてもプラント戦で4000万ドルは破格の条件だったことは間違いない。

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カネロ次戦はビボルが有力

 次戦はプランBのWBA世界ライトヘビー級王者ディミトリー・ビボル(ロシア)が最有力だ。条件次第でスピード締結が期待される。

 ビボルはエディ・ハーン率いるマッチルーム・ボクシングが共同プロモート。9月メキシコの独立記念日の週末まで期限が迫るカネロ陣営にとってまとめやすい相手。

 そして、キャリア最高の相手を逃したプラントはどうなるのか。カネロが9月の防衛戦をクリアーすればふたたびプラントとの交渉を再開するだろうが、また同じように条件面で決裂する恐れもありスーパーミドル級4団体統一戦は2022年以降に持ち越しになる可能性がある。

 そうなってくると年内はPBCでビッグ・ファイトを模索する形。プラントはデビッド・ベナビデス(米)がもっとも大きなイベントになるがベナビデスは8月28日にホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)と対戦予定。シナリオどおり運んだとして最短12月だが、その前に選択防衛戦を挟むのかどうか。TV局の予算次第となるだろう。

 カネロの次戦は9月中旬。プロモーションを期間を考えるとすでに発表のリミットは過ぎている。2019年のときのように9月が延期され11月になったような事態にならなければいいが。

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