2016年、サプライズとはいえミスマッチだったに違いない。2017年、バブル絶頂期の英国で共に2階級を上げた者同士のビッグマッチが実現へ向け動き出している。
マッチルーム・プロモーションズ エディー・ハーン氏は、プロモートするIBF世界ウェルター級王者ケル・ブルック(英)の対戦候補として、アミール・カーン(英)を挙げ、2017年1月にも交渉締結を望んでいることを明かした。
数年前から、ブルック、カーンの対戦の話しは持ち上がっていたが、カーンがビッグマッチを模索していたこともあり実現には至らなかった。しかし、今回交渉の中でアミール・カーンはブルックとの対戦に前向きだという。
エディ・ハーン氏は、SkySports(英・スポーツ専門チャンネル)のインタビューに応じ、アミール・カーンの代理人を務めるアシフ・ワリ氏と交渉に従事していることを明かした。「アシフ氏と交渉してる最中なんだ。最終合意できると確信しているよ。来年(2017年)1月の終わりごろに良いニュースを届けることができればいいいね。」と述べている。
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アミール・カーンは2016年5月、今やドル箱スターとなったサウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)とのサプライズ・カードが実現した。ビッグマッチを求め続けてきたカーンは実に3年以上の歳月を経てようやく実現。今後は、ケル・ブルックか、WBC(世界ボクシング評議会)のウェルター級次期指名挑戦権を得るかの何れかの方針に決定することになるだろう。
ケル・ブルック、アミール・カーン戦が実現すれば特例が認められなければノンタイトルとなる公算が高い。IBF(国際ボクシング連盟)は、これまでのブルックの功績に配慮し2016年9月にミドル級3団体王者ゲンナディ・ゴロフキンへ挑戦する際に、ゴロフキンに負けた場合次戦でエロール・スペンスJr.(米)と対戦を義務付けることで、ウェルター級王座を保持できる特例を認めた。
つまり、ケル・ブルックは次戦エロール・スペンスJr.との指名戦を行わなければ王座は剥奪されることになる。メジャー4団体の中でも厳格であるIBFは、指名戦前に臨時の試合を挟むことは承認しないだろう。
Sponsor Linkカーンは、WBCの指名挑戦権もオプション
ブルックは、ゴロフキンに敗戦したがウェルター級での評価は今も変わらないというのがファンの共通認識だろう。次世代を担うスペンスJr.との試合は興味深くファンが望んでいる試合であるが、ブルック陣営はビッグマッチを模索していることは間違いない。
一方、カーンは王座返り咲きを狙っており、WBCの指名挑戦権も大きなオプションにかわりはないだろう。
WBCの現王者はダニー・ガルシア(米)は次戦、2017年3月にWBA世界ウェルター級王者キース・サーマンとの王座統一戦が決定。WBCはこの勝者に対しアミール・カーンとの指名戦を義務付けることを検討。王座返り咲きを狙うカーンがノンタイトル戦となるブルック戦ではなく、WBCの指名挑戦権に興味を示す可能性も高い。
ブルックも苦労して獲得したベルトだけに簡単に明け渡すとは考え難い。一旦は、スペンスJr.との指名戦を受ける可能性もある。ただ、スペンスJr.は米国で売り出し中の選手だけにブルック陣営が望む英国開催で交渉で纏まるかは不透明であり、興行権が入札となれば不利となり先行きの予測は難しい。
ブルック、カーンが英国で実現すれば、ノンタイトルであっても間違いなく大きなビジネスとなる。最終的にはアミール・カーン、ケル・ブルックの方針と、プロモーターが描くシナリオ次第となりそうだが、ブルックが王座を返上しアミール・カーンとのビッグマッチを選択。サーマン、ガルシアの勝者へ挑戦するプランも考えらる。何れにせよサーマン、ガルシアが決まったウェルター級トップ戦線の行方に密接に関わってくるだろう。
(Via:boxingscene)
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