エイドリアン・ブローナー、ショーン・ポーター2人が次期スター候補の座をかけた戦いが、米国現地時間、2015年5月20日、米・ネバタ州ラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われ、ショーン・ポーターが、3-0の判定勝利を収めた。ポーターは、ウェルター級サバイバル戦の注目ファイトをクリア。今後は、ビッグマッチが期待される。
試合は、144パウンド契約ウェイト12回戦で行われた。試合当日の両者のウェイトは、ブローナーが157パウンド、ポーターが161パウンド。報酬は、ブローナーが$1.35Million(日本円で約1億6500万円)、ポーターが$1Million(日本円で約1億2300万円)となっている。
ブローナー、ポーター戦の結果
ポーターは、フットワークから自分のリズムを作り鋭いステップインで、左ジャブ、左ストレートが有効打としてブローナーを捉えた。ブローナーは、ポーターが距離に入ってくる際にあわせて左フック、右ストレートのカウンターで対応。しかし、ブローナーのパンチが軽い為か、ポーターはウィービングしながらお構いなく入っくる。
ブローナーは、ディフェンスを意識するあまり12ラウンドとおして、手数はポーターと比較すると圧倒的に少なく、コンビネーションもなく単発に終わっていた。対するポーターは、左ジャブを基点に、ジャブ、左ストレートを的確に当てブローナーを捉え、終始、自分のリズムを崩さなかった。
ポーターは、12ラウンドでダウンを喫したが、試合結果を見てもポーターの圧勝と言っていい。しかし、ブローナーを仕留められなかったのは、攻撃が単調だったことも要因の1つとして上げられ、今後の課題も見えてきた試合といえる。
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ウェルター級 サバイバル・マッチ第1戦
両者、世界タイトルマッチで1敗同士。この一戦は、フロイド・メイウェザーJr.、マニー・パッキャオの次期スター候補の座をかけた、ウェルター級、サバイバル・マッチ第1戦と考えていいだろう。
ブローナーは、マイダナ戦以降、順調に勝ち星を増やしゆっくりではあるがビッグマッチに備えていた感がある。試合は、米・地上波NBCで放送。どちらか負ければ、商品価値を落とす世界タイトルマッチ以上に大事な一戦となった。
ブローナー、ポーターの試合は、試合前、噛み合わない試合になるとの声も多かった。しかし、ビッグカードには違いなく期待値が高かった故に内容は、期待値以下の内容だったと感じたボクシング・ファンも多いだろう。
試合に明確に勝利したショーン・ポーターは次戦、フロイド・メイウェザーJr.との対戦に名乗りをあげている。ポーターは、「メイウェザーJr.戦のアンダーカードで試合をすることは期待していないよ。私は、メイウェザーJr.との対戦を望んでいる」と述べている。
ショーン・ポーターは、ウェルター級の実力者の1人であることには違いがないが、米の知名度は未だ低く興行観点からは難しいように思える。しかし、ブローナーを破り、ウェルター級の実力者に勝利していることから、フロイド・メイウェザーJr.の好捕として上がることは間違いないだろう。
ブローナーの商品価値は低下
3階級制覇した、元世界王者エイドリアン・ブローナーはマルコス・マイダナ敗戦後、順調に復帰街道を歩んきただけに、ショーン・ポーターに敗戦したことは自身の今後のキャリアに大きい影響を与えそうだ。
次に繋がる敗戦なら良いが、一方的と言って良い負け方最終12ラウンドでダウンは奪ったものの見せ場はダウンのみ。次戦のビッグマッチは遠のいたと言っていい。
マイダナに敗戦後、2014年5月フロイド・メイウェザーJr.、マルコス・マイダナ戦のアンダーカードでカルロス・モリナと対戦し、試合後のインタビューで差別発言。私生活での”Problem”(問題)も多い。
インタビュー後、自身は人気物だと豪語するが、実力と結果が求められるのが米のリングだ。敗者は淘汰されていくことは事実。ブローナーは、再起戦、適正ウェイトの見極め含め今後の方向性に注目が集まる。
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