2017年1月度MVP他、主要試合の結果まとめ!

photo by:boxingscene

 ビッグマッチが不作だった2016年。ミドル級の混乱、蔓延するPED問題とネガティブな話題がばかりが目立ち、ファンが待ちわびるビッグマッチの実現には至っていない。毎年、年始立ち上がりは静かだが2017年、立ち上がりから注目の試合が目白押し、年始から盛り上がり見せている。

 1月は、スーパーミドル級の王座統一戦、メイウェザーが太鼓判を推すメイウェザー・プロモーションズ若手ホープのジェルボンテ・デービス(米)の世界初挑戦、WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチが行われた。この中からMVP、最高試合を選出し今後の動向を占ってみたい。

1月度のMVPはマイキー・ガルシア

 1月度のMVPは、約2年半ぶりにリングへ復帰したマイキー・ガルシアを選出したい。マッチメークの水準、試合内容、戦慄的とも言えるKO劇。どれをとっても、1月度の試合の中で一番のインパクトを与え多くの人の記憶に刻まれたことは間違いない。

 2年以上の長期ブランクから調整試合を行い、ライト級屈指の無敗の強豪WBC世界ライト級王者デシャン・ツラティカニン(モンテネグロ)と対戦し3回KO勝利。フェザー、スーパーフェザーに加えライト級王座を手にし3階級制覇を達成した。

 今や、複数階級制覇は驚くべきことではないが、そういった勲章や記録ではなく階級屈指のツラティカニンを相手にベスト・パフォーマンスを披露。試合内容でファン、関係者を魅了し自身の存在感を再び世界へ誇示したことの意味は大きい。マイキーは1月度のMVPとして多くの人が認識したのではないだろうか。

 強豪ひしめくライト級、その中でも無敗のツラティカニンを戦慄KO劇で葬りファン、関係者に与えた衝撃は計り知れない。この試合を通じて多くの関係者から称賛の声があがり、あの敏腕プロモーター リチャード・シェイファー氏も次期PPVスター候補だとマイキーを絶賛している。

 マイキーは、以前に所属していたトップランク社(米・大手ボクシングプロモーター)と契約問題で2年半以上の長期ブランクを余儀なくされていた。復帰戦は互いに1年以上ブランクの空いたエリオ・ロハスが相手。圧勝したとはいえ格下選手、ライト級へのアジャストを含め調整試合から2戦目でツラティカニンへの挑戦はリスキーという声も少なくなかった。

 ツラティカニンは無敗の王者という肩書きだけでなく、インサイドからのパワー・ショットが強み。 階級屈指のタフネス、フィジカルを持ち、自身の距離から振舞われる左右の強打は脅威。

 キャリアがあるマイキーとはいえ、ファンからは危険な相手だと言われていた。それも最もな意見だろう。マイキーはツラティカニンとは対照的に正攻法のスタイル、接近戦となり ツラティカニンに巻き込まれればショッキングなエンディングも考えられた。

 それに対し、マイキーの強みはシャープで強いジャブ、ワンツーが自身の最大の武器。フェザー級時代には、ファイター・タイプのオルランド・サリドを相手に、強いジャブ、ワンツーでサリドを後ろに下げさせた実績の持ち主である。

 つまり、マイキーがツラティカニンに勝利する見込みは十分だった。しかし、ライト級での実績が無く、長期ブランクの影響がマイキー勝利の不安要素へ繋がっていた。

 しかし、大方の予想を覆しショッキングとも言えるこのエンディングを予想したファン、関係者は多くはないだろう。序盤から丁寧にジャブを突き、ガード突き破る強いジャブ、ワンツー、右ストレート、右アッパーを的確にヒット。ツラティカニンの侵入経路を遮断。

 ツラティカニンの猛烈なプレスにも怯まず、アウトボックスし3回、右アッパーで致命傷を与え左フックで体位を入れ替え、右フックでツラティカニンを失神KO。フィニッシュまでの一連の流れも素晴らしく、MVPだけでなく、年間最高KO賞に値するパフォーマンスだったことは間違いないだろう。

 ファン、関係者に強烈な衝撃を与えたマイキー・ガルシアの商品価値はうなぎのぼり、マイキー自身フリー・エージェントの身だが、今後も継続してPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)、Showtimeがサポートしていくと予想される。報酬もトップレベル選手達並にあがるだろう。

 WBC(世界ボクシング評議会)は、同級WBCダイヤモンド王座ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)に対し、アンソニー・クローラ(英)戦をクリア後に正規王者マイキー・ガルシアとの王座統一戦を義務付けている。

 リナレスがクローラに勝利すれば、マイキーとの対戦の機運は上がるだろう。ツラティカニン戦を中継したShowtimeは具体的な話はあげてないが、英国で行われるリナレス、対、クローラの再戦の放映権を獲得。Showtimeで中継することを決めている。マイキーはリナレスとの統一戦の他、WBO王者との王座統一戦も示唆。次戦は確定してないが、2017年7月に計画されている。

1月度最高試合は三浦vsローマン

 三浦が10回、ローマンから奪ったダウンはこの興行の中で一番強烈なインパクトをファン、関係者に与えたことは間違いない。2015年バルガスとの激闘を演じた三浦の米国返り咲きの一戦としても米国メディア、ファンに対し証明したものは大きい。

 WBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦が、2017年1月28日米・カリフォルニア州インディオにあるファンタジー・スプリングス リゾート&カジノで、同級ランキング1位の三浦隆司(帝拳)、対、同級ランキング2位ミゲル・ローマン(メキシコ)の間で行われ、三浦隆司が12回KO勝ちを収め、WBC世界スーパーフェザー級王座への挑戦権を獲得した。

 試合前から好戦的ファイター同士がぶつかり合うことから、関係者ファンの間では打撃戦が予想され期待値の高い試合だった。多くのメディアが年間最高試合に選出した2015年11月に行われたバルガス戦を思い起こさせる好ファイト。現地観戦したファンは満足したに違いない。

 ローマンは叩き上げの選手だが60戦以上のキャリアを持ち、キャリアでは三浦を凌ぎ、最近では世界ランカー相手に18戦全勝。WBCランキング2位、実力者とのキャリアもあり、WBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦に出場する十分資格のある実力者であった。

 パワーショットは三浦が上回るが、ディフェンス、テクニカル面ではローマンが上だろう。タフネスは互角かキャリアで上回るのはローマン。つまり、50-50どちらが勝ってもおかしくなく、好戦的ファイター同士がぶつかり合うことから、年間最高試合となっても何ら不思議ではなかった。

 タフなミゲル・ローマンにKO勝ちした三浦は、2017年7月にWBC世界スーパーフェザー級王者ミゲル・ベルチェル(メキシコ)への挑戦が合意。開催日程の決定を残すのみとなっている。バルガスがベルチェルに敗れたことにより、バルガスとの再戦は事実上消滅したが、ベルチェルに勝利すれば、次戦以降はオルランド・サリド(メキシコ)らとの、より大きな舞台が約束されるだろう。

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1月度の試合結果

1/13 アメリカ WBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ

 WBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチが、米フロリダ州ハイリアのハイリアパーク競馬場で行われ、WBA世界スーパーウェルター級王者エリスランディ・ララ(キューバ)が、同級ランキング9位のユーリ・フォアマン(ベラルーシ)と対戦し、4回KO勝ちを収め6度目の防衛に成功した。

1/14 アメリカ WBC・IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチ

 WBC・IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチが、米・ニューヨーク州ニューヨーク、ブルックリンにあるバークレイズ・センターで行われ、WBC王者バドゥ・ジャック(スウェーデン)、IBF王者ジェームス・デゲール(英)の両者が12回0-1の判定で引き分け。両者が保持しているWBC、IBFの王座の防衛に成功したが、王座を統一に失敗した。
 
 バドゥ・ジャックは70万ドル(約8千万円)、ジェームス・デゲールが75万ドル(約8600万円)の報酬を得ている。バークレイズ・センターの観客動員数は10,128人。ニールセン・メディア・リサーチによると、Showtime(米・大手ケーブルTV局)の平気視聴者数は、45万4000件となっている。
 
 バドゥ・ジャックは、ライトヘビー級へ階級を上げるため、WBC世界スーパーミドル級王座を返上している。

 セミ・ファイナルには、IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチが行われ、ジェルボンテ・デービス(米)が、王者ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)と対戦し、7回TKO勝ちを収め王座獲得に成功している。

 ホセ・ペドラサは、22万5千ドル(約2600万円)、デービスは7万5千ドル(850万円)の報酬を得ている。新王者となったジェルボンテ・デービスは、2017年5月20日、英国で同級ランキング1位リーアム・ウォルシュ(英)との初防衛戦に挑むことが決定している。

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1/28 アメリカ WBA世界フェザー級タイトルマッチ

 WBA世界フェザー級タイトルマッチが、ネバタ州ラスベガスにあるMGMグランドガーデン・アリーナで行われ、レオ・サンタ・クルス(メキシコ)が、王者カール・フランプトン(英)とダイレクト・リマッチを行い、12回2-0の判定勝利を収め王座返り咲きに成功した。

 王者カール・フランプトンが、100万ドル(約1億1千万円)、レオ・サンタ・クルスが90万ドル(約1億円)の報酬を得ている。MGMグランドガーデン・アリーナの観客動員数は10,085人。Showtimeで中継された平均視聴者数は平均58万7000件、ピーク64万3000件と、1月度に中継されたShowtime、HBOの中で最高視聴者件数を記録した。

 セミ・ファイナルには、WBC世界ライト級タイトルマッチが行われ、マイキー・ガルシア(米)が、王者デシャン・ツラティカニン(モンテネグロ)と対戦し、3回KO勝ちを収め3階級制覇を達成した。マイキーはこの試合で37万5千ドル(約4300万円)、ツラティカ人は32万ドル(約3600万円)の報酬を受け取っている。

 WBC(世界ボクシング評議会)は、WBC世界ライト級ダイヤモンド王者ホルヘ・リナレスに対し、アンソニー・クローラ(英)との再戦後に、WBC世界ライト級王者マイキー・ガルシアとの王座統一戦を義務付けている。マイキー・ガルシアは、ホルヘ・リナレスとの対戦に意欲を示し、2017年7月夏頃の開催を希望している。
 
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1/28 アメリカ WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

 WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチが、カリフォルニア州インディオにあるファンタジー・スプリングス リゾート・カジノで行われ、ミゲル・ベルチェル(メキシコ)が、王者フランシスコ・バルガス(メキシコ)と対戦し11回TKO勝利を収め王座奪取に成功した。

 セミ・ファイナルにWBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦が、同級ランキング1位・三浦隆司(帝拳)と、同級ランキング2位ミゲル・ローマンの間で行われ三浦隆司が11回KO勝利を収め、WBC世界スーパーフェザー級王座挑戦権獲得に成功している。

 フランシスコ・バルガスが25万ドル(約2785万円)、三浦隆司が15万ドル(約1670万円)。ミゲル・ベルチェルが5万ドル(約560万円)、ミゲル・ローマンが2万5000ドル(約277万円)の報酬を受け取っている。

 HBO(米・最大手ケーブルTV局)が中継した平均視聴者数は平均49万7000件、ピーク56万1000件と低調。ライバル局であるShowtimeより下回る結果となった。HBOの親会社タイム・ワーナーの業績不良の影響もあり、ボクシング中継の予算は昨年よりも削減される見通し。報酬が低額なのも、予算削減の影響が大きそうだ。

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1/28 プエルトリコ IBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦

 IBF世界スーパーフライ級挑戦者決定戦がプエルトリコで、同級ランキング3位の帝里木下(千里馬)と、同級ランキング6位マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)の間で開催される予定だったが、マックジョー・アローヨ陣営の都合で日程が延期となった。

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1/29 マカオ IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ

 IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチが、マカオにあるスタジオシティ カジノ・ホテル・マカオで行われ、王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)が、ホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)と対戦し、ロドリゲスが7回終了時に試合放棄により初防衛戦に成功した。

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