約8ヶ月ぶりに現役復帰したフィリピンの英雄マニー・パッキャオが、世界王座返り咲きに成功した。パッキャオは、2016年4月ティモシー・ブラッドリー(米)戦を最後に現役引退を正式に表明。その後、フィリピンの上院議員に当選し僅か5ヶ月後に引退を撤回し現役復帰を宣言していた。

 WBO世界ウエルター級タイトルマッチが、米国現地時間2016年11月5日ネバタ州ラスベガスにあるトーマス&マックセンターで開催され、マニー・パッキャオ(フィリピン)が12回3-0(118-109,118-109,114-113)の判定で王者・ジェシー・バルガス(米)に勝利し王座奪取に成功した。

 「パウンド・フォー・パウンド(PFP)最強の1人であることを証明したい。今後のキャリアの方針を決める上でジェシーとの試合が最も重要な戦いなんだ。自分が納得した形で勝利する必要がある」

 試合前パッキャオはそう語っていた。約8ヶ月のブランクを作り望んだジェシー・バルガスとの復帰戦に完勝。全盛期の野性味溢れるスタイルは影を潜めたにしろ、強豪ひしめくウエルター級で世界最高クラスのファイターであることを証明したい試合であった。

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 パッキャオは2回、バルガスに左ストレートのカウンターをヒットしダウンを奪った。このカウンターはメイウェザー戦でヒットさせメイウェザーをぐらつかせたパンチであり、パッキャオが得意とするパンチである。

 ときより、左リードを放ちながら迎撃を狙うバルガスの良いパンチを貰っていたことは事実。しかし、パッキャオのキャリアを通じて良いパンチを貰うという場面はある。今回は、その後の試合の立て直し面の良さが光った試合。ティモシー・ブラッドリー戦以降は、リスク・ヘッジを念頭に勝てるスタイルへ変貌を遂げた感がある。

 ファイト・スタイルは全盛期のスタイルと異なり、インパクトのあるKO劇や観ているファンの緊張感を煽るような試合内容ではないが、時より見せる鋭い踏み込み、変幻自在に繋ぐパンチのコンビネーションは全盛期を思い起こさせるほどだ。

 ファイトスタイルの変化は、階級を上げ持ち前のパワーだけでは通用しなくなった面も大きい。階級を上げ対戦相手によってパッキャオは自身のスタイルを変化させていった。

 ライト級以降は、攻撃面の幅を広げどうじに防衛能力のスキルを増していった。バルガス戦はキャリアを通じて得たスキル、敗戦から学んだことを自身の新たなスタイルへ踏襲していったのだろう。パッキャオがPFPと言われるのはこの辺りの変化にも柔軟に対応できることも理由の1つだろう。

 キャリアにおいて試合の中で、致命的なダメージを負えばダメージが蓄積し長く戦うことは難しい。年齢、体力にあった戦いかたをし自身のボクシング・スタイルを変化させ工夫していくことが長くキャリアを続ける秘訣にも繋がる。

 パッキャオの試合は全盛期の期待感は薄れたのは事実だが、ボクシングの枠を超え世界的に知名度を得たパッキャオからすれば、何もリスキーな戦い方をする必要性はない。”ファンが喜ぶ試合をする”ことも大事だが結果を残すことが重要である。

 パッキャオはメイウェザーとのリマッチが念頭にあるのは確かだ。そういった面を考えれば今回のバルガス戦でのアピールは決して悪くない。パッキャオが健在であり、ウエルター級トップクラスであることを示した試合であることは間違いないだろう。

(Via:ESPN) 

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