アル・ヘイモン氏が開催するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)、2015年と比較するとビッグマッチも少なく、視聴件数も伸び悩み低調だと聞く。そんな中ファン待望のウェルター級覇権争いの一戦が2016年6月米ニューヨーク・ブルックリンにあるバークレイズ・センターでWBA世界ウェルター級タイトルマッチ、王者・キース・サーマン(米)、対、ショーン・ポーター(米)が行われた。

 試合は、次期スター候補を決定する一戦として相応しい激戦となり、WBA世界ウェルター級王者・キース・サーマンが3-0の判定勝利を収め6度目の防衛に成功。視聴件数はPBC開幕イベントを上回らなかったもの、米地上波4大ネットワークCBSで中継された試合はピーク時310万件と、最近行われた試合の中で最高視聴件数を記録した。

 PBCが停滞している理由として代表となるスター選手が育っていないのが1つ上げられる。PBCの開幕NBC、ESPNのメインに抜擢されたキース・サーマンだが、人気・知名度は全米レベルとは言えない。ただ、フロイド・メイウェザーJr.が引退したあとの次期スター候補の1人であることは間違いないだろう。

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サーマン、ポーターは何れ起こるべき戦いだった

 キース・サーマンと比較されるのが、2013年12月サーマンと同時期にウェルター級・IBF王者となったショーン・ポーター。2人は親しい友人関係でも有り、はやい段階から2人のマッチメークに関して実現を望む声も多く、PBC開催の中でサーマン、ポーターのマッチメークは屈指の好カードであった。

 ショーン・ポーターは2013年12月、デボン・アレキサンダー(米)に勝利しIBF世界ウェルター級王座を獲得。2014年4月、ポール・マリナッジ(米)を4回TKOで葬り、そのインパクトのある勝ち方から一時期はフロイド・メイウェザーJr.を脅かす存在になるとまで言われていた。

 その後、ケル・ブルック(英)との指名戦で0-3の判定負けを喫し王座から陥落。復帰戦を経てエイドリアン・ブローナー(米)と事実上ビッグマッチの前哨戦を経てキース・サーマンへの挑戦権を手にしている。

次期スター候補の道を順当に歩んだサーマン

 2015年3月PBC開幕イベントのメインイベント、その後ESPNの開幕のメインイベントに抜擢されてきたサーマンは今やPBCの顔とも言える。ポーター戦はCBSプライムタイムに中継とキャリア最大のプラット・フォームが用意され、アル・ヘイモン、TV局の期待値も大きいことが分かる。大舞台で好ファイトでポーターに勝利したサーマンの知名度は間違いなく上がっただろう。

 人気、実力者であるサーマン、ポーターの一戦はヘイモンの2016年青写真にあったことはほぼ間違いないだろう。もっともビッグマッチ前哨戦でポーターがブローナーに敗戦したとしても、人気知名度が高いブローナーがサーマンと対戦しても興味深い一戦となったはずだろう。

2017年王座統一戦へ

 Showtimeスティーブン・エスピノーザ氏は、PBCで行われCBSで中継されたサーマン、ポーターは次期スター候補を決めるトーナメントの一環だという。スティーブン・エスピノーザ氏は、2017年にもWBA世界ウェルター級王者・キース・サーマン、WBC世界ウェルター級王者・ダニー・ガルシアの王座統一戦を計画していることを明かしている。

 ポーターとのトップ戦線をクリアしたサーマン。次戦WBA(世界ボクシング協会)から同級暫定王者・デビッド・アバネシアンとの指名防衛戦が義務付けられている。サーマンはアバネシアンとの王座統一戦を行う意向を示しているが、ポーター戦でのダメージ、カットの影響も有り年内に試合を行うかは不透明な状況だ。

 WBAからの指令とは言え、ポーター戦をクリアし王座統一戦や、ビッグネームとの機運が高まるサーマンにとって報酬も見込めない北米でほぼ無名のアバネシアンとのWBA王座統一戦を行う意味は殆ど無いと言っていいだろう。

 まだ公式発表となってないが、WBC王者・ダニー・ガルシアは次戦9月24日米国内で、アンドレ・ベルト(米)との対戦交渉が進められているという。サーマン、ガルシア、ビッグネーム同士での王座統一戦であることは違いないが、既定路線と言えばそうなってしまう。

サプライズカード実現へ

 長期に渡り係争中であったアル・ヘイモン氏とトップランクが和解した今、ウェルター級を盛り上げるには他プロモーターとの協力が必要不可欠。アル・ヘイモン氏は、トップラクラスのウェルター級選手を傘下に収めるが、マッチメークには限界が見え始めてきている。

 サーマンに敗戦したとはいえ好ファイトを演じたショーン・ポーター。サーマンが言うとおり再戦も十分考えられる。ダイレクト・リマッチではなく一戦サバイバル戦を制して、サーマンと再戦すれば再戦もまた大きな舞台が用意され盛り上がるだろう。

 トップランク、ヘイモンが和解したことから、ショーン・ポーター、ティモシー・ブラッドリー(米)。ベルトに破れたビクター・オルティス、対、ブランドン・リオス戦なども今や実現に向けて難しいことでは無いだろう。勝者とサーマン、ガルシア、WBO王者・ジェシー・バルガスと戦っても興味深い一戦となるはずだ。

 2016年ビッグマッチが少なくなると言われ、コバレフ、ウォード戦以外に話題性が集まるカードは決まっていない。2016年明らかに予算削減が見られマッチメークに限界がみえるアル・ヘイモン氏率いるPBCが今後どのように他プロモーターTV局と協力し、ファンが求めるビッグマッチを実現するか見所である。

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(Via:boxingscene