村田諒太、エンダムと因縁の再戦が決定!WBAが既定路線だった


photo by:boxingscene

 村田諒太(帝拳)がWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(フランス)と因縁の再戦を行うことが決まった。エンダムとの再戦は日本開催、興行収益、年内開催であれば規定路線だったことは間違いないだろう。

村田諒太をプロモートする帝拳プロモーションズは8月3日、都内で記者会見を開き2017年10月22日に東京・両国国技館でWBA世界ミドル級タイトルマッチ、王者アッサン・エンダム対村田諒太のダイレクト・リマッチを行うことを正式に発表した。

 初戦は日本で22年ぶりにミドル級の世界タイトルマッチが開催され大きな話題を呼び、関東地区の視聴率は17.8%と高視聴率をマークした。日本国内でミドル級の世界タイトルマッチが行われたのは1995年12月19日にWBA世界ミドル級王者ホルヘ・カストロに無敗の竹原慎二が挑んだ以来の試合だった。

 この試合はタイトル獲得することはもちろん、まだミドル級の実力者と対戦がない村田が強豪集うミドル級で世界の猛者を相手に通用するかどうか試金石となる重要な一戦だった。

 村田はロンドン五輪ミドル級金メダリストでありながら、実力者と拳を交えた経験がなく実力を疑問視する声も少なくなかった。アッサン・エンダムは、デビッド・レミュー(カナダ)、ピーター・クィリン(米)らミドル級トップの選手と拳を合わせており、村田の実力をはかる上でも最適な相手だった。

Sponsor Link

初戦は疑惑の判定

 しかし、試合は12回1−2(117-110,111-116,112-115)「疑惑の判定」と言われ、判定結果は物議をかもしその波紋は国内にとどまらずソーシャル・メディアを通じて世界的に広がった。現地観戦した多くのファンは村田を支持していただろう。一方でエンダムの手数をポイントとする意見も少なくなく、ジャッジの採点基準の明確化を求める声は多い。

 この問題を受け、WBAヒルベルト・メンドサJr.会長は自身で試合を検証「117−110で村田の勝利だ。公正なジャッジが出来なかったことに怒りと不満がある」。と述べWBAチャンピオンシップ委員会に再戦を要求すると声明を発表した。

 帝拳プロモーションズ 本田会長は「いままでで一番ひどい採点。WBAが処分をくださなければ再戦の選択はない」とWBAを牽制、厳しい姿勢を示していた。米国で村田を帝拳プロモーションズと共同プロモートするトップランク ボブ・アラム氏は「これはスキャンダルだ!こんな判定は見たことがない」。と怒りを露わにしていた。

 その後、WBAチャンピオンシップ委員会はWBA本部があるパナマで記者会見を開き、エンダム対村田のダイレクト・リマッチを正式に指令。さらに、初戦の判定を下しエンダムを支持していたジャッジ2名を6ヶ月間の資格停止処分を下した。

既定路線のWBAに決定した

 WBO、WBCのオプションもあったが、既定路線であるWBAエンダムとの再戦に決定した。再戦となった理由は、開催地が一番の理由だろう。陣営としても日本開催が前提条件にあったことは間違いない。

 村田が王座を獲得すれば22年ぶりにベルトが日本へ戻ってくることになる。エンダムとの因縁の対決となれば前回以上の興行成績を見込めることはほぼ確実である。

 前回の興行規模は5億円、再戦は7億円規模とも言われている。もっとも、試合後”疑惑の判定”と言われ日本のTV、メディアでも連日報道され、普段ボクシングに関心がない層にも浸透。エンダムとの再戦は国民の関心度は高いことは間違いない。

 世界的にも関心が高いことから各国への放映権料、前回以上の高視聴率が見込めることから多くのスポンサー収益も見込める。つまり、多くの予算が確保できる。TV局、プロモーター、選手にとってもWBAエンダムとの再戦は理に適っている。

Sponsor Link

WBOは辞退

 WBO王者ビリー・ジョー・ソーンダース(英)陣営から9月16日に対戦のオファーがあったが、帝拳プロモーションズ 本田会長は準備期間が短いためオファーを辞退したという。ソーンダースは7月に英国で同級暫定王者のアフタンディル・クルツィゼ(ジョージア)と対戦することが決まっていたが、直前でクルツィゼが逮捕され急遽試合が中止となっていた。

 ソーンダース対クルツィゼが中止となったことで、ソーンダース対村田の可能性も十分あったのは間違いない。WBOパコ・バルカルセル会長は、指名戦が中止となったソーンダース陣営に選択防衛戦を承認。さらに9月16日の勝者に対し同級ランキング2位のデビッド・レミュー(カナダ)との対戦を義務付け、ソーンダース対村田の再戦交渉進められていることを明かしていた。ソーンダース陣営は英国で防衛戦を行う方針を固めていたため、日本開催にもってくることは難しいと判断したのだろう。

先行き不透明なWBC

 WBCは、最新ランキングでそれまで圏外だった村田諒太を3位にランク。これにより、村田の世界挑戦の機運が高まったと言える。しかし、年内開催を条件と考えた場合、村田の世界挑戦の可能性は不透明。陣営がWBCに方針を決めることはなかっただろう。

 WBCはミドル級帝王ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が保持している。ゴロフキンは9月16日にサウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)と対戦することが決まっており、この結果によりゴロフキンが保持するベルトが空位となる可能性がある。しかし、再戦条項がありカネロが負けた場合、再戦条項を行使することができるオプションがあり、先行きを予測することは難しい。

 年内ベルトが空位となる可能性は、カネロが勝った場合とゴロフキンが勝ちカネロが再戦条項を行使しない場合のみである。カネロはWBCと確執がありゴロフキンとの統一戦はWBA、IBFのみになると明言。

 カネロが勝った場合WBCの王座は空位となる公算が高い。こうなった場合WBCミドル級挑戦者決定戦を制したジャーモール・チャーロが正規王者へ昇格する可能性高い。

 大金を積めばチャーロを米国から呼ぶことも不可能ではない。しかし、WBCのベルトが空位となる保証はどこにもない。さらにチャーロが正規王者に昇格した場合WBCが村田と指名戦を命じるかどうか先行きは不透明である。

 ゴロフキンが勝ちカネロが再戦しない場合、WBOを交えた4団体王座統一戦を行うことも考えられるが、今後は流動的となるだろう。ゴロフキンはスーパーミドル級へ階級をあげることも示唆している。何れにせよWBCの王座は、9月16日以降でなければその後どうなるか全く予想が付かない状態であることにかわりはない。

Sponsor Link

再戦は明白な勝ち方が求められる

 「疑惑の判定」と呼ばれた初戦、有明コロシアムで行われたこの試合、12回が終わると判定結果を待つまでもなくコロシアムを後にする観客が多かった。大方が、村田の判定勝利を確信していたのだろう。筆者は村田の勝ちだと認識している。

 採点基準の問題があるにしろ、明らかに村田は手数が少なかった。もちろん初の世界タイトルマッチで陣営の戦略もあったのだろう。陣営はポイント計算上、村田が有利であると見ていたに違いない。

 拮抗していると判断していればもっと攻勢に出ていたはずである。村田はいつになく慎重さが目立つ試合だった。判定となれば結果はどうなるかわからないのがボクシング。この論争の焦点は村田の有効打をとるかエンダムの手数どちらをとるかということだろう。

 村田諒太は4回にダウンを奪ったが、ボクシングは各ラウンドに優劣をつけるため。12ラウンドとおした全体の印象と判定結果にづれが生じる時も珍しくない。明確な採点基準がなく各ラウンドに優劣をつけなければならない。

 ダウンを奪ったが、印象的なシーンが足りなかったのは事実だろう。もちろん有効打は村田だった。しかし、判定を明白にするために追加のダウン或いは、相手をぐらつかせる、ロープに押し込むシーンが欲しかった。

再戦は勝つことだけでなく明白な勝ち方、完全決着が求められる。村田有利という声が多い。村田陣営は初戦以上にリスクをテイクし印象的なシーンを多く作る必要がある。そう言った面でも陣営の戦術にも注目したい。

 村田はエンダム戦でミドル級トップクラスに通用することを証明。初戦は苦い経験となったが初戦の課題を洗い出し検証、再戦で証明することができれば更なる期待がもてる選手として成長するだろう。

(Via:時事ドットムニュース

Sponsor Link

こちらの村田対エンダムの関連記事もみたい

村田諒太対アッサン・エンダムのチケットは8月26日に発売開始!

10月22日に東京・両国国技館で行なわれるWBA世界ミドル級タイトルマッチ、王者アッサン・エンダム(フランス)対WBA同級1位村田諒太(帝拳)の観戦チケットが8月26日にチケットぴあで販売が開始される。購入はこちら から。  チケット券種は以下のとおり。 …

WBA、村田諒太対エンダム再戦、交渉期間を15日間延長!

WBA(世界ボクシング協会)は5日、ダイレクトリマッチ(即時再戦)を指令しているWBA世界ミドル級王者・アッサン・エンダム(フランス)と、WBA同級1位の村田諒太(帝拳)の交渉期間を15日間延長することを発表した。 …

Sponsor Link

村田諒太、エンダム消滅か?!村田の世界挑戦はどうなる?

帝拳プロモーションズ 本田会長は、WBA(世界ボクシング協会)が興行権の入札を指令をしたWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(フランス)対WBA同級1位の村田諒太(帝拳)の興行権の入札を拒否する意向であることを示した。 …

WBA、村田諒太、エンダムの興行権の入札を指令!

WBA(世界ボクシング協会)は現地時間27日、公式サイトを通じてWBAが再戦を命じているWBA世界ミドル級王者・アッサン・エンダム(フランス)と、WBA同級ランキング1位の村田諒太(帝拳)の興行権の入札を2017年7月7日にWBA本部のあるパナマで実施することを発表した。 …

Sponsor Link

村田諒太、WBO王者ソーンダースと対戦交渉か?!

アッサン・エンダム(フランス)との試合が「疑惑の判定」と言われ一躍ミドル級で、時の人となったロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(帝拳)の対戦相手にWBO世界ミドル級王者・ビリー・ジョー・ソーンダース(英)が浮上した。日本開催がのぞまれるが、英国開催、他のオプション、各国の思惑もあるなか、今後の交渉の行方に注目が集まることは間違いない。 …

村田諒太、WBCランク3位、WBOタイトルへの挑戦のチャンスは?!

WBC(世界ボクシング評議会)が9日、2017年6月度の最新ランキングを発表し、ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(帝拳)はミドル級3位にランクした。同級1位セバスチャン・ヘイランド、2位のジャーモール・チャーロの両選手は、WBC世界ミドル級挑戦者決定戦を行うことが決まっている。 …

Sponsor Link

WBC世界ミドル級挑戦者決定戦、チャーロ、ヘイランドが7月29日に調整中

ジャーモール・チャーロ(米)/25戦全勝19KOのミドル級デビュー戦が、2017年7月29日米・ニューヨークで計画されていることが分かった。WBC世界ミドル級挑戦者決定戦が、WBC同級1位のセバスチャン・ヘイランド(アルゼンチン)34戦28勝(15KO)4敗2分と、同級2位のジャーモール・チャーロで争われることになっている。 …

WBC世界ミドル級挑戦者決定戦、チャーロ、ヘイランドが7月29日に調整中

WBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が近い将来、スーパーミドル級へ階級を上げることを計画していることが分かった。ゴロフキンのトレーナーを務めるサンチェス氏は、カネロに勝ち再戦が行われなかった場合、スーパーミドル級へ階級を上げることを示唆している。 …

村田諒太、現役続行を表明!世界挑戦の行方は?!

ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)が8日、都内のジムで記者会見し現役続行を正式に表明した。村田は会見で「唯一得られなかったのがベルト。ベルトを取るためにために尽力したい」と述べた。  更に、世間で”疑惑の判定”と言われた試合で「得たものは大きかった。自分自身が、世界レベルで通用することが分かった。 …

Sponsor Link

村田諒太、エンダムの再戦の行方を占う

「疑惑の判定」2017年5月20日、東京・有明コロシアムで行われたWBA世界ミドル級王座決定戦の判定結果は物議を醸し、その波紋は国内にとどまらずソーシャルメディアを通じ世界的に広まっている。  村田を帝拳プロモーションズと共に米国でプロモートするトップランク社 ボブ・アラム氏は「これはスキャンダルだ!こんな判定は見たことがない」。帝拳 …

村田、エンダム、WBA即時再戦を指令、一連のまとめ

会場にいたファンのほとんどが、22年ぶりに日本人のミドル級世界王者が誕生すると確信していたに違いない。ところが、判定結果でコールされたのはフランス人だった。このニュースは、ソーシャル・メディアを通じ、国内だけでなく海外でも反響は大きいものとなっている。WBA(世界ボクシング協会)が異例とも言えるスピードで、ダイレクト・リマッチ(即時再戦)を指令した。 …

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter でin44y

最新の関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です