カネロ、GGGは本当に実現しないのか?!

 「2016年ビッグマッチが少ない年になる」そう言われていただけに、残念なニュースが飛び込んできた。ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)は、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)がWBC世界ミドル級王座を返上することを正式に発表。これを受けWBC(世界ボクシング評議会)は同級暫定王者・ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)を正規王者として認定。カネロ、ゴロフキンの一戦は、事実上延期となった。

 カネロ、ゴロフキンの延期は大方の予想どおりだったとは言え、カネロがアミール・カーンとの試合後ゴロフキンとの統一戦を公言していただけに、ファンからは落胆の声が次々と挙がっている。

 GBPは王座返上の理由について「我々は期限を強制された交渉はしない」と説明。WBCは、GBP、K2プロモーションの両陣営に対し15日以内に交渉を纏めるよう通達。交渉が纏まらない場合興行権は入札となることが決まっていた。

カネロ、GGG延期は大方の予想どおり

 カネロ、ゴロフキン、双方のプロモーターは良好関係にある。GBP、K2プロモーションは2015年10月17日米・ニューヨーク、マディソン・スクウェア・ガーデンで開催したゲンナディ・ゴロフキン、デビッド・レミュー(カナダ)戦を共同開催している。

 TV局の障害もなくビッグマッチ実現への期待感が高まっていた。一方で、米国ボクシング・アナリストらはカネロは一旦WBC王座を返上し、160パウンドで何試合か消化後に2017年5月にゴロフキン戦はスライドすると見ていた。

 WBCから与えられた交渉期間は15日間。交渉期間が短いことを考えれば、王座を返上し交渉期間の制約を無くすのは1つの手段と言えGBP側の説明は理解できる。しかし、GBP側の説明に対し試合を先延ばしにし、ゴロフキンとの対戦を回避するのではと指摘する声も多く、ファンの理解を得るのは難しいのが現実だろう。

カネロ、GGGの交渉は今後も継続

 ゴロフキンをプロモートするK2プロモーションは、「ゴロフキン、カネロ戦が実現できると100%確信している。彼がゴロフキンとの対戦を回避したいなら、試合後のリングにゲンナディを招きいれるような行為はしないだろう。カネロの王座返上により、WBCとの交渉期限が無くなり制約が無くなった。」と述べ、お互い交渉が纏まらなかった場合、来年以降実現を目指すと交渉に前向きな姿勢を示している。

 カネロは、2016年5月7日ネバタ州ラスベガスにあるT-モバイルアリーナでアミール・カーン(英)をKOで葬った。衝撃的なKO劇だっただけに会場内がまだ騒然とする中、カネロはリングサイドで観戦していたゴロフキンをリングに招き入れた。

 カネロは、HBO(米・最大手ケーブルTV局)マックス・ケラーマンのインタビューの中、ゴロフキンとの統一戦について問われると、「いますぐグローブをつけて戦ってもいい」と公言。試合後の記者会見でも「160パウンドでゴロフキンと戦う準備はできている」とゴロフキンとの対戦を熱望していた。

GBPの決断は間違ってないが・・・

 GBPは、「交渉期限を強制された交渉はしない」と声明を発表したが、ファン、メディアの見解は様々だ。ファンからすればプロモーター、ファイターの都合は関係の無い話。「160パウンドでゴロフキンと対戦する」公言したにも関わらず王座を返上。ゴロフキン戦を回避したことに変わりはない。
 
 カネロは、フロイド・メイウェザーJr.(米)、エリスランディ・ララ(キューバ)、オースティン・トラウト(米)と対戦。不利との意見も多くGBPはマッチメークに消極的だったが、カネロ側の意向を認めマッチメークを実現させた経緯がある。しかし、今回はミドル級絶対王者・ゴロフキンが相手。ショッキングな負け方をすれば、カネロのキャリアだけでなくGBPとしての打撃も計り知れない。

 GBPとすれば、カネロは看板選手であり今やドル箱スターに成長。フロイド・メイウェザーJr.、マニー・パッキャオ引退後の次世代のけん引役として大きな期待が掛かっている今、ミドル級で2試合消化してるとは言え155パウンドのキャッチ・ウェイトでの試合だ。

 カネロが主戦場としてきたスーパーウェルター級(154パウンド、リミット)の1パウンド上、ゴロフキンと160パウンド(ミドル級リミット)で試合をするならば、160パウンド試運転なくして、実力では遥か上を行くゴロフキンに立ち向かうのはあまりにリスキーだ。

 仮にカネロが2016年9月にゴロフキンとの試合を臨んだとしてもGBPは承認しないだろう。ゴロフキン戦前に1試合160パウンドでの試合を挟む計画であれば、ゴロフキンとの直接対決の一時回避は決して間違った決断とは言えないはずだ。

 そして強豪との対戦も辞さないカネロが、リング上にゴロフキンを呼び込み「今すぐ、グローブをつけて戦ってもいい」と公言しそのまま退散するとは考えにくい。GBP CEO オスカー・デ・ラ・ホーヤ氏も「ベスト対ベスト、ファンが望む試合を実現する」ことを公約。カネロ、ゴロフキンを早期に実現しなければ反響はもっと大きいものとなる。

カネロがAサイド

 カネロが公言したとおり160パウンドで合意すれば、交渉の焦点は報酬分配と開催地。GBP側が多額の報酬を要求することも考えられ交渉は難航することも予想される。ゴロフキンは、米国内でトップレベルの人気・実力を兼ね備えミドル級統一王者であり、実力ではカネロを遥かに凌ぐことは間違いないが、過去のHBOペイ・パー・ビュー(PPV)、視聴件数、観客動員数の実績を考慮すればカネロがAサイドになることは間違いない。

 必ずしも実力者が高い商品価値を持つと言えないのがボクシング界。ゴロフキン陣営は報酬分配に関して譲歩する形をとらせざるを得ない形になるだろう。

 もっとも、ゴロフキン陣営からすれば報酬分配で譲歩しても、カネロ戦をクリアし勝利すれば報酬だけでなく米国内に置ける絶対的地位を手にすることができるのだ。

 勿論、WBO王者・ビリー・ジョー・ソーンダース、WBA王者・ダニエル・ジェイコブスと強豪らが居るが、米国での人気・知名度は遥かにカネロが上。カネロとのメガマッチをクリアすれば次世代のけん引役がゴロフキンに決まり、ゴロフキン陣営にとってカネロは最大のオプションに変わりはない。

スターになるにはGGG戦は避けられない

 カネロ側にとっても、次世代のけん引役を決める戦いとしてゴロフキンは最も適した相手。エリスランデイ・ララ戦は、「負けていた」との見方も多くカネロは過大評価されているとの意見も多かったが、2015年11月にミゲール・コット(プエルトリコ)に勝利し金星を獲得し過大評価を払拭した感はあるが、ミドル級で誰もが納得する次世代のスターになるには絶対王者・ゲンナディ・ゴロフキンとの対峙は避けては通れない。

 開催地は恐らく、ヒスパニック層が多く居住する米・テキサス州で行われ、会場はアーリントンにあるAT&Tスタジアム(カウボーイズ・スタジアム)が候補。この会場は2013年3月13日、マニー・パッキャオ(フィリピン)、対、ジョシュア・クロッティ(ガーナ)が開催された会場で、試合当日41,843人の観客動員数を記録している。

 米国内でトップレベルの観客動員数をほこるカネロ、ゴロフキンのメガマッチが2017年に実現すればおよそ8万人を収容できるAT&Tスタジアムは超満員となることが予想され、最も大きなボクシング・イベントとなるのは間違いない。

 交渉期限が無くなり時間もたっぷりある。GBP、K2プロモーションは、カネロ、ゴロフキンがメガイベントになるよう、今後どんなストーリーを描いていくのか楽しみでもある。

 ショッキングな結末さえ予想できるこの試合、好戦的同士の試合はエキサイティングな試合内容が保証されていると断言してもいい。世界中のボクシング・ファンが望むこの試合。4団体に王者が居る中、ファンが観たいのはただの世界タイトルマッチでは無い。最強王者、困難に立ち向かう勇敢な挑戦者の姿だ。パッキャオがデ・ラ・ホーヤ、ハットンと強者とのマッチメークに臆すること無く挑戦しスターの座を手にしたように、カネロが真のスターになるにはゴロフキン戦は避けては通れない道なのである。

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WBAゴロフキン、ジェイコブスの王座統一戦を指令!

(Via:ESPN

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